第2話 傷つかない男
飯だの、酒だの、映画だの、観劇だの、展覧会だの、遊園地だの、ゴルフだの、ドライブだの、旅行だの、彼女になれだの、結婚してくれだの、愛人になれだの、ヤらせろだの……現役中は腐るほど誘われ、腐るほど断った。
触れなば落ちん、ってか!?
ケチな客ほどキャバ嬢の仕事を誤解して軽視する。
よなよな、なんの思いいれもない客から、なんなら苦手な客から執拗に誘われるのだから、たまったもんじゃない。
ある夜も鳥肌や蕁麻疹に人知れず耐えながら、のらりくらりかわしていると
「男が嫌いなの?女が好きなの?」
と暴投された。
私は男が嫌いなのでも女が好きなのでもなく、お前個人が嫌いなのだ。
それをちんけな自尊心で総体にすり替えるとは何ごとか!
男ではなく、お前個人が私にフラれたのだ。
現実を見ろよ。
逃げずにちゃんと傷つけよ。
そんな素直で魅力的な男性なら、素敵な女性との出あいがあるはずだから……。
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