はじめてのとまどい

ベッドのすぐ近くに置いてある黒い椅子に座り、スマホを覗く。


やっぱり、他人のものだと言う感じが抜けなくて、開くのを躊躇ってしまう。





「…あった」



日記 としか聞いていなかったけど、それはすぐに見つかった。



ホーム画面の真ん中に位置した、開いた本の形をしたアイコンをタップしてみる。





「……随分手の込んでるお嬢様なんだ」


なんと日記にまでパスコードがかかっている。


これは顔認証式ではないらしい。





「しまったなぁ」


とにかく思いつく数字を入れてみようか

手始めに入力した数字は0000。







開いてしまった。


こんなに厳重だと思っていたのにパスコードは全く考えていなかったのだろうか。


それとも元の私がただ慎重すぎる馬鹿だったのだろうか。




後者であると少し悲しくなってくるため、前者であることを願おう。

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