はじめてのふゆ



「 っだから!

 外が、白いんですよ!」




冬真さんは最初大きい声を出したことに驚いたようだったが、

すぐに前の微笑みを取り戻した。




『う〜ん

 これは、ゆきというもので、しろいのがあたりまえなんです。』



“ふゆ”に“ゆき”。

もったく分からないのもが連続して出てきて私の脳ははち切れそうだ。



『かりんさん』


「はい」


『はる は知ってますか?』


「それはもちろん知ってますよ。」




この人は私を馬鹿にしているのだろうか。

それともただ自分が物知りなことを自慢したいのだろうか。


冬真さんは私の答えが意外だったようで、

少しだけ、会話が途切れた。


でも、途切れたのはほんの2、3秒だった



『うん、わかりました!』


「なんのことですか

 まさか、私が春を知らないと思ってたりしました?」


少しむすっとした顔でそういうと冬真さんもさすがに謝るだろうと思った。





『ふむふむ、なるほど。

 今回は頭がいいんですね。』




屈託もない笑顔で私の方に向き直り、その言葉を発した。


これは馬鹿にされていると受け取っていいものなのだろうか。

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