第4話

『おっぱいは

でかい方が好き.』


『何それ,

突然過ぎ.

綺麗な形して

揺れてるね.


この間,

自分,男だったじゃん.』


『あー顔が好みならいい.

でも,

全部あいつが見つけてきた奴だ.

誰一人として

俺が選んだ相手はいない.

嫁役も所詮配役上だ.

だから,

俺自身で誰か一人を見付けたい。

そう

沢山旅して出あうみたいな。


花で例えると

あの花も綺麗で

あの花も可愛くて

あの花も嫋やかで

って思うけど,

あぁやっぱり

この花が好きだわって

あるだろ?』


『ん…

入ってこない』


『え…

入ってんじゃん.』


『もうシモいの

いいから…

話を続けてよ.』


『んじゃ分かった.

あの選手好きだな,

あの選手のプレーも最高,

あの選手の動きいい

って思うでしょ.

そしたら,

戻って…


皆いいよな…』


『じゃあ皆

好きでいいじゃん.』


『だねー.』


『例えが良くないんじゃない?

ゴールが僕の望んだとおりに

なってっけど…

それ言いたいんじゃぁないんだよね。』


『じゃあ

何か出してみろよ.』


『何で?

聞く側に出せとか

ひどすぎんじゃね.

おーぼー.

鈍感。


こっち出す側じゃないからね.』


『あなたも充分だよ…

ぬめぬめしてんじゃん.


あーこれこれ

あちこちガキんちょ見んじゃん。

家帰って娘見たら

うちの子最高みたいな!

どぉよ?』


『そんな…

ドヤァって感じで言われても,

いないから不明。


でも,それ違うでしょ.

親の欲目ってやつも入ってんじゃない?』


『俺ら血は繋がってない.

てか,血ぃなんて流れてない.』


『言葉の綾だよ.

うるさいなぁ.

知ってるよ.

そんなの.

よく目にする存在だから,

特別に感じてくるんじゃないの?

同じ存在でしょーよ.

あなたと私.』


『僕でいくっつんなら

統一しろよ.』


『はー…

そりゃごめんね.

あなたと僕.』


『つか、』


『つかっ?

丸っと無視なの.』


『娘役の方が

人生観凄いの。

全て裏分かった上で

ニコニコ甘えるからね。

めちゃ役者。

達観しちゃってんのかな。

俺ら大人役何やってんのって感じ。


あ…

今凄い事思いついちゃった…

聞く?

聞け。』


『んー何?


娘っても,

見た目だけでしょ.

中身は

どうか分からんやん.

業界長いだけで,

世を分かってるだけでしょ.


んで何だっけ?』


『何で

あなたが

ここ来てんの?

あの子の配役いるでしょ…?』


『何で今更。

御存知でしたかと

思ってたわ。


頼み込んで、

ここに来てるんだよ。

今頃

あの子の配役は

暗闇の中…


ずっと

僕は暗闇の中にいるんだって

泣き落として、

此処に居る間だけ

代わって貰ってる。

そこまでして…

そこまでして

あんたに

会いに来てんだよ。

分かるか…

分かんねーよな…』


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