第2話
『お酒入ってるし見ちゃないよ.
こっから長いから,適当に過ごそ.
感覚あったら楽しいのにねー.
こっちは,
もうスポーツ感覚に近い感じだ.』
『確かに酒入ってるけど,
こっち,更に盛られてるかも.
あの子は気が付いてないけど…』
『おぉ…
分かってんね.
知らん人と初対面で
呑んで付いてくの止めた方がいーよ?』
『だから!
まんま返すわ.
こっちも,どうしよーもないんだって.』
『なな?
言われて困んだろ?』
『何それ.』
『でも,気持ちは流れてこん?
そっち,どんな感じ?』
『気持ちぃーよ?
やだやだ,あんなアヘ顔したくない.』
『演技派?』
『いやほんとほんと.』
『そっかー.
うんうん.
いーじゃん.
だよなー.
うんうん.』
『嬉しげだね…
そっちこそ,
何か心ここにあらず?
って顔してる?
どして?』
『あー分かる?
カメラよ.
ちゃんと映ってんかな.
とか,
アングルとか?』
『え‘‘っ!?
私,知ってる?』
『そんな混乱するような返しやめぃ.
これ流す用に撮るからね
とか,
これで脅しちゃうよ
とか言われて許可しちゃう奴おるんか.』
『あー…
まーじゃあ知らんよね.』
『鏡の隣の植木鉢.
おっきめのあんじゃん.
あっこに
念入りに仕掛けてたよ.
泣く事にならんといーけど.』
『何だか
それ聞いたら今泣きそうだわ.』
『よしよし.』
『何で,そんな事するんだよっ!
今すぐ止めてよっ!!!』
『ちょ…
もごもご話すくらいなら
ばれんだろーが,
激しく口動かすなって.
お前,振り幅が大き過ぎって.
今まで繊細に
合わせろ合わせろ
ゆーてて.
これ,
全方位カメラあったら
まずいよ.』
『えっ!?』
『ねーよ.
でも,付けられたら
こんな適当には過ごしちゃおられんよ.
して,もう…
何回繰り返すんよ.
あっちからこっちは何とかなるけど,
こっちからあっちへは
丸っと無理なんだって.
所詮
鏡の中.』
『ねぇ.』
『うん.』
『ねぇ.』
『何?』
『神様に1つだけお願いできるなら,
何をお願いする?
感覚くださいって言ってみる?』
『んー…
いや…やめとく.
何か感覚貰っちゃったらさ.
あいつとは違うって
言えんくなるような気がする.
快楽に溺れて,
多分…
罵ったり出来なくなるんじゃないかな.』
『何それ,
まとも.』
『あー…
でも,あいつと立場交換してくださいって
願うと思う.』
『え…
自分置いてくの?』
『え…?
俺とあなた
そんな感じだったっけ.』
『え…?』
『え…?
まぁいいや.
そうとしときやしょうか.』
『何それ,
事務的.』
『どの返しが欲しいんよ.
ゆーてみ?』
『何でもいいの?』
『言うだけタダでしょ.』
『何か感じワルっ.』
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