鏡よ鏡よ,おい鏡っ.
食連星
第1話
『ねぇ今日どんな子?』
『さっき,ちらっと映らなかった?』
『映ったー.』
『なら聞くな.』
『だって暇じゃん.』
『気分盛り上げとけば?』
『俺ら感覚ないじゃん.
気分だだ下がりー.』
『だけど魅せないといけないでしょ.』
『2割増しで?』
『ふふ.
ツインテールだったよ.』
『見た見た.』
『見てんじゃん.
訊くなって.』
『違和感は?』
『んー目だな.
目いじってる.
可愛いもんよ.
酷い時,
まんまやっちゃってる娘もいるやん.』
『今が良けりゃいいでしょ.』
『えーどっち派?
まぁ…だなー.
頑張る姿は,いじらしい.』
『だって,
あいつは関係ないっぽい.
ハメられたら良さそうだし.』
『んー
既婚なんでしょ.
ここ別宅だし.』
『そそ.』
『そそって.
まぁ知ってても止めらんねーわな.
鏡の中だもん.
お前,固定だからいいじゃん.
自分,相手によって変わるから.』
『男女で楽しめていいんじゃないの?』
『だから感覚無いって自分で
ゆーてたでしょ.』
『見た目変わると気分も変わらない?』
『変わ…
あー考えた事無かったわ.
して,前戯長くない?』
『ベッドに行ったままだね.
好みのタイプじゃねーの?』
『奥さんに似てた?』
『ノーコメント.』
『あっ逃げた.』
『今お前の主は?』
『んー今いない.
フラフラしてんよ.』
『そっか,だから簡単に
つかまるんだ.
狙って来てる?』
『誰がだ.』
『つまんねぇ…
目は,どうとかこうとかでも
可愛いか見せて.
こっち向いて.』
『こっち色々動いてたら
ホラーだから.』
『んー
分かるけど,
こっち見てないじゃん.
向こうの俺たち.』
『後で見るでしょ.
あなた鏡プレイ必ず
入れるじゃん.
だから,
呼ばれるんだし.』
『俺だけど…
俺じゃないんだって…
あんなに誰これ構わず
喰わねーよ.
時には
お話だけで帰らせたらいーのにねー?』
『話だけなら店でやって
家帰れよ.
綺麗な奥さんと可愛い娘さん
待ってんでしょうよ.』
『はぁ…だから,
こっちに言われても困るんだって…』
『中の奥さんと娘さんに
怒られたりすんの?』
『えー?
全然?
ドライよ.
だって,ある意味
配役でしょ.
自分ら.
感覚ないし,
気分も…
気分はあるのか.
ちょっと厄介な存在だね.』
『あ…
ちょ…
ストップ.
同じように動いて.』
『お前,助っ人なのに
偉いなー.』
『ねぇ,黙ってよ.
口元合って無かったらダメだって.』
『あっちに合わせるなんて
最高.
ノッテ来た.』
『馬鹿なの.
黙って.
こっち見てる.』
『とろんとしてる顔.
可愛い.』
『あっちの人たち
そんな事言ってないよ…』
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