第180話―下っ端から王に成り上がる世界最強の王を象徴するオオサカ・キャッスル陸―
徳川秀忠が作った大阪城の中はまるで美術館のようなコーナーもあった。
収蔵された遺産をガラス越しから見ていると袖を引っばられる感覚があった。引いてきたのは右の方向を振り向くと不死川さんだった。
「ねぇ、少しいい?」
「えっ、あっ。はい構いませんよ」
いつになく表情筋が金縛りでもあったように固くなっていた。猫塚さんは比翼の説明を聞いており声をかけなくていいかと俺は隅の方へと連れて来られた。
ベンチがあって休憩するためのところ。
ま、まさかここで俺を内密に仕留めるつもりなのか。まあそんな事ないあるはずが無いので『座ろう』と省いたセリフで促してきた。
まあ、その言葉足らずな点と曇った表情からそんな非現実的なことを俺は考えてしまったわけだけど。
「それで、相談ってなんだい不死川さん?」
横に並んで座ってから優しく穏やかな声を意識して掛ける。
きっとこういうのは繊細な悩みを抱えているもので口にするの勇気がいるはずだから。
俺は大人だ。立派な大人では決してそんな事ないが彼女の視点からそう見えるのなら振る舞わないといけない。
頼れる大人としての象を崩さずと。
「ボクは口下手だから遠回しな言葉なんて出来ない。だから単刀直入に言うけど、兄ちゃんネコネコ……
メガネにある二つのレンズをつなぐ真ん中のブリッジをクイッと上げる不死川さん。
いきなり本題から入り訊いてきた言葉は猫塚さんの好きかとものだった。
「ええぇーーーっ!?ちょっ、どういことですか。いきなりそんな事を言われても……」
あまりにも混乱を喫した人間のしどろもどろ。その様子はとても大人としての威厳や落ち着いた対応力など
くっ、分かっていたよ。三十路になっても見た目や精神があまり変わらないし女子高生から好意を抱いている情報だけで一喜一憂する大人ですよ俺は。
……そんな自暴自棄めいたことを脳内でまくし立てることで精神の乱れを整えようと測った。
そんなみっともない姿を晒して見た不死川さんは微苦笑を何故かこぼしていたのだった。
その顔から読み取るに、相も変わらず面白い人だと表れていた。もはや手玉を取られているみたいというか生暖かい笑みを
「あはは、思ったとおりのリアクション
ヒヨリンとネコネコも大事な友達なんだよね。だから幸せになってほしいと思うんだ」
虚空を見つめるように不死川さんは抱いている思いを吐露する。おそらく助けを求めているとあうよりも忠告だ。
ただ俺は話を最後まで聞くしかない。
不死川さんの言葉は続く。
「ボクとヒヨリンは兄ちゃんのことは友達として人として親しみあって好きだけどネコネコは違う。
きっと異性として好きなんだよ」
「……なんとなく俺も分かっていた」
「気づいていたんだ。
もし断るとしたら、兄ちゃん言葉を選んで欲しい。そんな理想的なこと出来ないのは分かっている。傷つかない振り方なんて。
無理なのは分かった上で頼んだよ……兄ちゃん」
たしかに無茶な要求。それでも出来る限りのことで最小限に抑えた振らないといけない。
それと不死川さんは
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