秋と冬のガバレッジ
第164話―冬雅はイチャイチャしたい花恋は引く―
来年で二十歳となる
――お兄ちゃんの家に駆け込んで泊まりたいと炎が吹くような勢いで言った。
……やや自暴自棄で場当たりな行動には心配はするものの躍動感にあふれて突き動かす姿に眩しさを感じた。
これが若さなのかと感心さえも覚えました。それだけ成長して自制するようになったから高校生の躍動感には今では驚く年。
突然そんなこと告げられて困惑した彼氏は『いや、待ってくれ!?説明を頼む』と応えると花恋――
なにで言い争うたのか耳を傾けると『せっかく豪華なご馳走様を振舞ってやったのに、味が薄いと言われたんだよ。ヒドクない』だった。
そういうことか。うん気持ちは分かる。
わたしの両親も共働き。
そういった両親に生まれてきた子供としては掃除や炊事で負担を減らそうと、ささいな手伝いでもしたくなってくる。
あれでも…通ってきた道が近いことから親近感を抱いていましたが、わたしの両親は忙しくても家事なども手を抜かずに出来る人でしたので手伝おうと幼いながらの気持ちは起きませんでしたねぇ。
細かいことは別にいいのです。
そう大事なのは好きな人が出来てからでも掃除や炊事を後から始めても同じことなのです。
ズレてめちゃくちゃな自己完結をしている間に、お兄ちゃんは花恋を考えを改めようとしますが聞いてくれません。
困りました。
なら泊めてくれる場所を他の人にお願いしようと結論となる想い人。それが妥当ですねぇ。
まず最愛の人として
えへへ、わたしよりも頼りになる女の子は多数いる中で先に頼まれるのは素直に嬉しい。
ただ、隣にいたからという捉え方も出来たけど気にしない。わたしがそうと思うならそうなのです。
ためいきを吐きながら笑顔を作って快く返事。
そうしようとする前に花恋は『これ、わたしのわがままなのは重々に承知で言うけど無理です。
冬雅さんの家に泊まると不安要素や迷惑も掛かりますし、比較的にお兄ちゃんの家でしたら私がやれる事ありますし』と家出を敢行した女子高校生はそう主張して拒絶をしました。
頭の中にガーンと効果音をそのまま叫びたくなるぐらいの拒絶でした。
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