第11話―遥か遠くにある日常セカンドワールド―

年末年始キャンペーンで盛大に祝っているショピングモールでの日常的なデート。

今年も終わることに余韻に浸かって未来のことを語り合って無事に今年を終わらせるつもりだった。

そうにはならず冬雅を怒らせてしまった。


「へぇー、そんなことあったのですねぇ」


色々とあった年の最後となる日。

穏やかに次の年を迎えようとする日に俺は憂鬱となっていた。

それから謝ろうと試行錯誤したが返事がなく冬雅は今も怒っている。

昼前。いつものように家に訪れて来た真奈に悩みを打ち明けていた。


「ああ。冬雅が遠慮しているのは与えられることに嫌ではないと思っていたんだ。

どうしても貰い物を与えると表面上だけ遠慮だけするのは子供でもそれぐらい持っているから。

でも心から一方的に与えられることに抵抗感があったんだと思う。だから、それを無視したのが失敗だった。

ストレス与えすぎて…我ながら稚拙だ」


「でも問題点をたどり着ける自己分析はワタシ立派だと思いますよ。

そうかもしれませんねぇ。一直線な善意もありますけど、お兄さんに冬雅の言葉を。意見を聞いてくれなかったことが悲しかったと思いますよ」


「……」


真奈の指摘に俺は当時を振り返るが思い当たることはあっても理屈では納得していない部分がある。

才媛の真奈は普段は、ふわふわとした言動をするが本質を貫くこともある。

その穿った見方(鋭い見方)に正しいとは分かってはいても。

どうしても主観は振り払えない。客観性を優れても本当に客観側にある他の意見も大事なことは沢山ある。

でも受け入れないとならない。俺が冬雅の言葉を軽んじていたことを。


「シリアス時間はこの辺にして。お兄さん一緒に汗を流しませんか?」


真奈は椅子から立ち上がってそう言って誘い出した。

汗を流すとは、なんぞや?

真奈の言葉に戸惑いながらも俺も立ち上がって同意した。やることは筋トレでした。


「つ、疲れた」


「さん…じゅう。はぁ、はぁ……お、お兄さん…はぁ、はぁ。ワタシが筋トレしようと発言した、のは…幸福ホルモンを分泌を促進する効果あるからなの」


腹筋を終えた真奈は荒れる息を整えながら人差し指を立てて誘った理由を述べた。

慣れないうちに激しい運動すると怪我をするので気をつけよう。俺は、誰に言っているだろう?


「そうなのか。納得した、確かにあるね。

でも運動不足な真奈が筋トレを他と比べて劣らない所まで上達したのは驚いたよ」


落ち込んだ俺を励ます言葉よりも運動を促したわけか。

持っている知識を実行して行く真奈らしい。


「うん。ワタシご褒美が欲しいかな」


「出来ることなら」


「お兄さんしか出来ないこと。膝まくら!」


「了解した…………はっ!ひ、膝まくら」


「そう。お兄さんの膝まくらを堪能した後はワタシも膝まくらして頭をなでたり、手を繋いで暮らしたい!」


「う、うーん。分かった」


言われた通りにした。真奈の頭は膝の上に乗せてポニーテールの髪を優しく、優しくでて話をする。

その次は交代となって真奈がソファーに座ってひざ枕の体勢に。いいのかなと抵抗感ありながらも期待の眼差しでにこやかに待つ真奈。ええい、まあまあよ!

真奈の膝の上は弾力あって心地よかった。

…うん、俺は変態かな。

真奈は愛おしそうな笑みで頭を

でてくるから穴があったら入りたい。


「お兄さんとワタシなら冬雅をこの日で仲直りさせてみせましょう!」


微笑んで真奈は力強く言うのであった。

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