第10話―遥か遠くにある日常ワールド―
最愛の人と
今年が最後の日付け31日に、わたしはコーヒーを
「きっと明日には、お兄ちゃんが謝ってくれると思っていたんですが…来ませんでした」
「ふーん、謝らなかったの?」
「ううん。謝ってきました」
「どっちなのッ!?」
「メッセージ。ラインのメッセージだけ伝えて直に謝ってくれませんでした。
どうして来ないのと訊いて、また困らせてしまった。わあぁ……ど、どうしよう。
それと誠意をもっと示して欲しいよ。心から誠意も感じませんでした」
残っていたブラックコーヒーを一気に飲みほします。
この苦手な味を意外と美味しいく味わえているのは多分、わたしの心が悲痛にあるからかもしれませんが。
わたしたちが居るのは喫茶店で時刻は昼過ぎ。昼の空は真っ白と広がっている。
「うわぁー、頭が花畑の人が自暴自棄になるとこうなるんだ。
とりあえず冬雅さん落ち着いて、ください。
アドバイスは一つ。いつものように大好きと叫んで抱きついて仲直りすればいいんじゃ」
テーブルの斜向かいに座って話を聞いたり彼女らしいアドバイス送ったりする。
どうして真正面で話をしないかはプレイクスルー感染を用心して。わたしがお姉ちゃんなので、それぐらい配慮しています。
「でも大人の恋愛は複雑なんだよ花恋。
いくら痴女のわたしでもそんなことしませんし何より現実的じゃないよ」
「いや、普通ならそうですけど。冬雅さん自分のしてきた今までの言動を振り返ってよ。
あと、痴女まで言っていませんし自分を低く見すぎだから!!」
わたしの胸中に
これを少しでも色をつけようと刺激を加えるためブラックコーヒーを口に入れようとして空っぽことに気づきます。
「すみません。ブラックお代わりお願いしまーす!」
「これ、お兄ちゃんが知ったら心配…は、しませんね。やさぐれているようで、どこか楽しんでいるし」
花恋そんな事ないよ。もう人としての原動力が失ったの。そうなると燃料が尽きた蒸気機関車や昔の船のように動けなくなるのだ。
そう、わたしは止まっていて停滞にある。
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