第2話―大正マナ御伽噺―
恋愛は
三十になる大人では魅力は歳を重ねて衰えていき女子大生である冬雅や真奈から冷めるとかあるかもしれないが、恋愛は三年しか持たないデータがある。
人を好きになれるのは長くて三年ほど。
PEA(フェニルエチルアミン)と名称される代表的な恋愛ホルモンがある。これを分泌するのは三年以内と検証されており、想う気持ちは保つことはない。
過ぎっていき消えていく。
そのデータをエビデンスのある理論を信じていて
「ガガガァ、見えます?わたしを見えますか。えへへ、お兄ちゃんの隣で囁いてみます。それから…フユカお化けですよ」
居間で冬雅ゴーストが出現した。
俺がコタツの中に入ってノートパソコンを向き合って執筆していたら横から声を掛けられたのだ。
リビングに入ったのは知っていたし、
三角頭巾とか
そして近い。横に向いたら至近距離だ。
息が耳元に当たっており反射的に振り向いたら至近距離。いきなり囁くのはやめてもらいたい。まだ本当の恋人ではないから。
「…冬雅プリン食べるかい?」
「…プリンニシテヤルノ」
驚いたけど、冬雅から見て驚いていないようにしようと素っ頓狂か発言をした。
しかし冬雅は両手を前にユラユラと揺らして淡々と応えた。
しかし、そのセリフから関連するのは、
ゲームだと小柄だけど頑丈そうなお化けの
美少女。
中央の競走馬ような名前。7戦して未勝利であったが擬人化を楽しみに密かに待っている。そのときのキャストは
「ハァ。いくら日曜の昼だからからって
高校生がいるのですから冬雅おねえちゃん。あまり刺激の強い行動をしないでよ」
そう忠告するのは俺の向かいで座って
クセが強い髪はハネった艶やかな長い黒髪。
無邪気そうな大きな瞳、けどその奥には権謀術数を宿っている。
名は
ゴージャスな群青色のしたラフな部屋着をしている。ちなみに彼女は真奈と違い泊まりにきたのではなく、ただ会いにきたのだ。
会いに来たと言っても恋愛対象の意味ではなく感覚的には家族に会いにきたが適切。
娘を持ったことないけど帰省だと思う。
「あはは、なんだかごめんねぇ。
わたし的にはもっとイチャつきたかったけど我慢するよ」
「そう言っても反省しないだろうなぁ。
それで冬雅おねえちゃん素朴な疑問なのですが、そのコスプレ少々…ヤバいくらいスカート短くないですか?」
引きつった顔で比翼は、冬雅のコスプレ衣装の短すぎるスカート部分を指摘する。
顔を見えないほど髪でカーテンした本格仕様なのに白装束の下が短すぎる。
真っ白な太ももに油断すると視線を向けてしまう。怖さと可愛さ(もしかしたら色気かもしれない)の両方をクオリティーの高い。
「これは戦略的なものです。
いつまでも想いが続くとは限らないので、お兄ちゃんにはドキドキしてもらおうと計算して作っておいたのです。
もちろん下はショートパンツしていますし、重要なサポートも余念はないですよ!
可愛さも大事だけど、お兄ちゃんの小説をより良くしようと思ってネイルとか赤くしましたし髪も不気味にした。
参考は、お兄ちゃんと一緒に視聴していた見える子ちゃんとかホラーゲームをねぇ」
語りたくて仕方なかったのだろう。
冬雅は間、髪を容れずに訊いてもいない質問までも応えていく。
聞き手として得意な比翼も苦笑している。
今さら、この動機で驚くことはなかった。
参考と言った『見える子ちゃん』は2021年のアニメ。ホラーコメディという新しいジャンルといえばいいのか怖いのに笑ってしまうギャグセンスもある。
原作はマンガでアニメのBパート終わるとCMのセリフが毎話と違ったりしている。
それに作画も良いし、サービスシーンも良かったりする。
「なんて言うか…冬雅おねえちゃん凄いですねぇ。向ける熱意が、支えたい純粋な気持ちもあるこど見られたいとか変態度の熱意が凄いよ」
「ええぇーーーっ!?わたし変態だったの」
仰け反るほどに叫んで驚いている冬雅を、変態じゃないと否定する人は誰もいなかった。
さすがに常識を逸脱しているなと冬雅のアクティブさには思うことはある。
自発的にしてくれるのは嬉しいけどドキマギさせようと凄まじい格好をする。
「…やっぱり冬雅さん。変態だったんだ」
そう呟いたのはJKさん。テレビの向かいに
コタツ、そしてその先に複数人も座れる広めのダイニングテーブルがある。
そこの真ん中に腰を下ろしていた。
雰囲気は活発そうで明るいスポーツ少女。
名前を
「気を逸らしたらダメだよ花恋。
ほら勉強に集中しないと」
「あっ、ごめんごめん真奈さん」
注意を受けて花恋は軽く謝ると広げた勉強に専念しようとペンを走らせる。
現在、真奈は女子高生の花恋に勉強を教えている。テストの成績があまり芳しくなかったらしく現役の東大生である真奈に教えて欲しいとお願いをされ、優しい真奈は快く承諾。
勉強のことなら周りからよく頼られる真奈は教えを説いている。
ふむ、平和だ。そう平穏を楽しんでいると比翼が手を挙げた。
「んじゃあ、アニメ好きなオタク揃っていますし。定番な話題を振るけど今季のアニメで個人的に良かった作品ありましたか?
わたしはポプテピピック!再放送になっているけど実質上はキャスト前と違いますし、新規ほとんど変わりません」
今季のアニメで何が良かったかと比翼は一人一人と目を巡らして話を振るのだった。
ポプテピピック。再放送には確かになっているが内容は、ほとんどそのままに声を当てる人は前と違う。まぁキャラクターに声優さんを固定しないのが作風の一つなのでポプテピピックらしい。
好きな作品かと悩んでいると「はい!」と声を弾ませて手を挙げたのは今日の花恋だけ専属の家庭教師である真奈。
あの先ほど勉強を専念とか言いませんでしたか?
「ワタシは断然に無職転生2期。
地域ごと転移されて冒険と別れ…悲しいけど感動する素敵な物語」
嬉々として語っていますが教え子の花恋は何を楽しそうに語っているの真奈さんはと非難の眼差しを向けている。
熱くなっており真奈は気づいていない様子。
次に「はーい」と明るく手を挙げた冬雅。
今は俺と比翼から見てコタツの横に回って入って座っている。
「真奈の次は、わたしの番だねぇ。
わたしは王様ランキング。絵本みたいな絵のタッチが新鮮。それに登場される人物が物語が進むにつれて好感を持てる人が多いのも魅力の一つですねぇ。
花恋は好きなアニメある?」
見える子ちゃんを参考にと言っていたが冬雅は王様ランキングが今季の中では一番のようだ。唐突に振られた花恋は戸惑う。
「えっ?私ですか…私は鬼滅の刃ですかね。
遊郭編だったかな。とにかく面白かった」
なるほど鬼滅の刃か。
たしかに面白い。これから、どんな展開になるか注目している。
「えぇー、花恋それ絶対に面白いとか思って言っているの?わたし以外は寛大だけど
激しく怒る人もいるから発言には気をつけてよね」
「えぇー。どうして私が怒られているの」
まぁ比翼がそう抗議をするのも少しだけ気持ちは分かる。けど、花恋はこの中だとアニメや漫画などを熱狂的になっていないので
仕方ないかなと思う。
「それで、おにいちゃんは?好きなアニメ」
最後に残ったのは俺。比翼にラストターゲットにされ、目を輝かせている。
「俺は…大正オトメ
原作はマンガでタイトルが大正処女御伽噺。
全5巻と出ており、ラノベなどもある。
「そうなのですねぇ。お兄ちゃんが好きなのは大正オトメ御伽噺と」
隣で聞いていた冬雅は懐から紙のメモ帳を取り出すとペンを走らせる。
なにか権謀を巡らそうとしているようで怖いのですけど。
推測して大正のコスプレするんだろうなぁ。
推測というよりも確信に近い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます