第43話
吹き荒れる宇宙塵がフッと消えたのだ。気が滅入るほどのおびただしい岩石群がまえぶれなく忽然とすがたを消したのだ。
ぼくは我が目を疑った。閉じたり開いたり、なんども瞼をこする。まぼろしではない。完全に霧消している。時空がきれいに晴れている。漆黒の遠方に星星が輝いて見える。
「やはりね」
マリーが言う。
「いったい――?」
ぼくはそれ以上コトバがつづかない。
「ホログラフィも応用したんだわ。立体視。ふるくさい手法ね。どういう細工が施してあるのかわからないけど、あなたの船を立往生させるために予め仕組んでおいたんだわ。残念ながらあなたの船、囮だったのよ」
マリーはくちびるをかたく結ぶ。
「どういう意味だい?」
ぼくはゴン爺の顔を想い浮かべる。
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