第44話
「あなたを売った人間がいる。誘惑に乗ったか脅迫に屈したか。あるいは他に理由があるか。いずれにせよ、わたしたちは罠にかかった。操縦士さん、ここからはあなたの本分よ。捕まったらおわり。わたしは人格を消去される。あなたは殺される。あなたの友人も、あなたとおなじ命運を辿るかもしれない。それが公人のやりかたよ」
ドオンッと激震がはしる。四肢が煽られもんどりうって、ぼくは操作盤にこめかみを強打する。
視界が淡く靄がかる。しかし気をうしなうわけにはゆかない。
操縦席へと這いのぼり、融合炉を点火して出力を最大限まであげる。加速する。航行機能も再起動する。
宇宙塵が復活するが、まやかしとわかったいまとなってはおそれるに足りない。マクシムにすみやかな光速度走行を指示する。
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