第39話
え……、どうしてなの!?
私は驚いていた。
ランダムに選択した紙なのに、そこには星のマークが書かれていた。
殿下は、意図的に私にこの紙を取らせたの?
いったい、どうやって……。
いや、まだわからない。
一度だけなら、たまたまということだってあり得る。
「エミリーさん、もう一度お願いします。今のは、たまたまかもしれませんし……」
「いいわよ。でも、次もあなたは、星が書かれた紙を引くことになるわ」
殿下は自信満々だった。
ドヤ顔もなかなか様になっている。
私は次こそ、星が書かれていない紙を引こうと意気込んだ。
「じゃあ、シャッフルするから、また見ないように目を瞑って」
「わかりました」
私は殿下の言う通り、目を閉じた。
「もう、いいわよ」
私は目を開けた。
テーブルには、十枚の紙が横一列に並んでいる。
私は紙を選ぼうとした。
うーん、どれにしようかな……。
普段はこういう場合、なんとなく端っこのものを選ぶことはないけれど、たまには端っこを選んでみようかな。
私は右端にある紙を選んだ。
そして結果は……。
「えぇ!? また星のマークが書かれた紙です! いったい、どうなっているんですか?」
「じゃあ、種明かししてあげる」
殿下が微笑んだ。
「あ、いや……、ちょっと待ってください。やっぱり、自分で見破ってみたいです。なので、もう一度お願いします」
「いいわ。でも、何度やっても、同じ結果になるわよ」
殿下、またもドヤ顔である。
少し悔しいので、何とかネタを見破ろうと、私は意気込んでいた。
*
(※ナタリー視点)
「そうだな……。昼に行きたいと思っているが、皆が揃いやすいのは夜だから、夜にするよ」
「あ……、そ、そう……。わかったわ。また来るときは、事前に教えてね」
あ、だめだ、終わったわ……。
私は何とか微笑むことができた。
しかし、心の中では完全に絶望していた……。
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