第27話
町についたあと、私たちは宿屋に入った。
この町も、初めて来た町だ。
殿下も始めてきたと言っていた。
そういうわけで、私たちは町を見て回ることにした。
しかしこの町で、私たちはあるトラブルに巻き込まれることになるのだった……。
*
(※ナタリー視点)
「驚いたか? 私たちが大衆料理店に行くなんて、思っていなかっただろう?」
「え……、ええ、そうね。全然興味なんてないかと思っていたから、驚いてるわ……」
私は動揺していた。
まさか、こんなことになるなんて……。
「ナタリーが経営しているお店がどういう感じなのか、一度行って確かめてみたかったんだ」
「そ、そうなの……」
「どんな店なのか期待して入ったら、驚いたぞ。客が全くいなかったんだ。あの店の経営は、大丈夫なのか? 明らかに、客足が少ないように見えたぞ」
「あ……、それは、えっと……」
なんてことなの。
ついに、恐れていた展開が……。
いや、落ち着くのよ……。
お父様の聞き方から察するに、まだ経営がうまくいっていないと確信しているわけではない。
あくまでも、疑問に思っている感じだ。
しかし、一度芽生えた疑惑は、そう簡単には消えない。
両親とレックスが、じっと私の方を見つめて、返答を待っている。
ここで返答は間違えれば、経営がうまくいっていないことがバレてしまう。
何とかして、誤魔化さなければならない。
ああ、もう、お店の経営をどう立て直すかで頭がいっぱいなのに……。
そのうえ、経営がうまくいっていないことを、家族に隠す策まで練らないといけないなんて……。
でも、ここは重要な場面よ。
落ち着いて、最適な返答をしなければ、何もかもバレてしまう。
私は、必死に言い訳を考えた。
そして、私が口にした返答は……。
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