最終話 ヤバディとクリスマス
ドラッガーを退けた晃助達、彼らはアルゴスの基地に辿り着くと
そこは瓦礫の山になっていた。
「な、何があったんだ!」
「どうやら、大規模な襲撃があったようですね」
シュリがスマホで検索するとアルゴス壊滅のニュースが上がる。
「しょ、職場と学校と住む所が無くなった!」
愕然とする晃助。
「だ、誰がやったんだ畜生っ!」
憤る晃助、そんな彼のスマホに連絡が来たので取る。
「ボーイ、無事だったか!」
トニーだった。
「谷花さん! だ、誰がやったんですかこんな事!」
「ドラッガーだよ、こちらも生き残ったは良いが政府と組織再編の話し合いが
難航していて今年はもう何もできない状態だ」
「そ、そうですかなら俺も実家に行って人生を立て直します」
「ああ、君の変身アイテムはそれまでに完成させておこう」
トニーとのやり取りを終える晃助。
「……晃助さん」
シュリが彼を抱きしめる。
「うん、取り敢えず俺の実家へ行こうか祖母ちゃんしかいないけど」
「はい、ご挨拶もしたいですし」
そして二人は晃助の実家へと帰る事となった。
晃助の実家は、とある街にある民家に道場が付いた珍しい建物だった。
「あんたも災難だったね、泊りがけの仕事に行ってたら組織が潰れちまうってね」
黄色い拳法着姿の晃助の祖母が家の玄関で晃助とシュリを出迎える。
「おばあ様、初めましてシュリと申します」
シュリが丁寧に挨拶をする。
「晃助から聞いたよ、あんたも難儀な生まれだってひ孫は早めに頼むね♪」
「お任せ下さい、おばあ様♪」
「いや、ちょっと祖母ちゃん!」
シュリをすんなり受け入れた祖母に驚く晃助。
「あんたも良い人見つけたねえ、式とかは良いから頑張って早くひ孫作りな!」
「いや、それはまだ早いって!」
「何言ってるんだい、子孫繁栄こそ一番だよ!」
「クリスマスは励みます、おばあ様♪」
シュリは自分を受け入れてくれた晃助の祖母に誓った。
「ああ、私も祖父さんとクリスマスは励んだもんさ♪」
そんなシュリを見て微笑む晃助の祖母。
「……うちの祖母ちゃんって」
「素晴らしいお祖母様ですね♪」
晃助は呆れてシュリは喜ぶ。
「人間万事塞翁が馬だよ、ひ孫に拳法伝授しきるまで生きるよ私は♪」
拳を突き出すポーズを取る晃助の祖母。
「恐るべき力量ですね、お祖母様」
「死んだ旦那もヒーローでね、私も一緒に戦ってたよ♪」
晃助の祖母の技量を見ただけで感じ取ったシュリ。
「色々早いよ、祖母ちゃん」
晃助はため息をついた。
「準備は早い方が良いんだよ、二人共今日から家で暮らしな」
「はい、そうさせていただきます」
「ああ、ただいま」
晃助はシュリと共に実家に戻る事となった。
転居など諸々の手続きはシュリが行ない、クリスマスイブ。
「……で、何で俺はまたこのアジトで寝かされてるんだよ!」
晃助はチョッパーのアジトの黒いベッドの上に、蜘蛛糸で縛り付けられていた。
「お祖母様からは一服盛って良いと許可は得ましたので、無問題です♪」
シュリの姿はトナカイの角と耳、牛の如き豊満な胸、下半身は黒い蛸と言う
異形の裸体を晒していた。
「いや、盛るなよ! て言うか、祖母ちゃんもグルか!」
額に手を当てたい所だが、縛られていて手が動かせない晃助。
「クリスマスだけに、頭はトナカイにファクターチェンジして見ました♪」
そう言って、蜘蛛の如く獲物である晃助にのしかかるシュリ。
「……わかった、受け入れるから手だけは解放してくれ」
晃助の要求を受け入れたシュリ。
「では、レッツパーティー♪」
そして二人は、互いをクリスマスプレゼントにして朝まで愛し合った。
この後に、トニーから変身ベルトを手に入れた晃助は怪人とのカップルヒーローとして数多くの悪の組織を壊滅しシュリとの間に沢山の子供達を設けるのだがそれはまた別のお話である。
ヤバディ!俺の彼女は合成怪人 完
ヤバディ!俺の彼女は合成怪人 ムネミツ @yukinosita
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます