第8話
さて、死んでしまった俺はなぜかランクが下がっていた。
何度も思うが、どうして死んだらもう一度なんだろうか。
この世界のルールは、理不尽なことが多い。
ランクも1、レベルも1。これだけ見れば、ただの雑魚同然。
だけど、レベルなんかはほんとに関係があるのだろうか。
レベルが高いから強い。レベルが低いから弱い。
これは、いわゆる差別的な何かだと俺は思う。
はたしてほんとに、レベルやランクは関係があるのだろうか。
人によっては、不正な行為をしてレベルを上げることもある。
だから、レベルやランクというのは、その人の実力ではないと俺は思う。
「うーん……」
冒険者カードを見て唸る俺。
今の俺は、リルム、つまり異性と交際をしてはいけないことになっている。
リルムが言うには、ランクが3に満たない人でも異性と交際していると。
俺はその一人ということになる。
だけど……ランクが1というのがバレれば、また死ぬことになるかもしれない。
蘇生も無限にはできないっぽいし……次死んだらもう終わりだろう。
まあ俺も、そう何度も死にたくないし。
「そんなに心配しなくてもいいって」
そういいながら俺に笑いかけるリルム。
「いやでもなぁ……」
リルムはそういうが、俺は結構心配していた。
ランクが3になるには結構な時間が必要である。
ランク1は、基本的に弱い武器を使って敵を倒さなくてはいけない。
俺はランクを上げる苦労を、もう味わいたくないと思った。
「はぁぁぁ……」
今日は憂鬱な日だ。
理不尽にも、王とか言う奴の命令で俺は殺された。
なぜ俺は死ななきゃいけなかったのか。
リビングの窓から外を眺める。
「ねぇ真人?」
そんなところに、リルムが後ろから声をかけてきた。
「ランクのことについては、もう忘れちゃいなって。それより、今日はお出かけしない?」
「お出かけ?どこに?」
「街はずれに、私の友達がいるんだー。最近会ってなくて、元気な顔を見たくなっちゃって」
「ふぅん……分かった。俺もついていくよ」
俺の今の気分は下がり気味だ。
下がった気分を上げるために、どこかに出かけるのはいいことだろう。
「それじゃあいこー!」
はしゃぐリルムを見て、俺は思わず笑いそうになってしまった。
転生?レベル?そんな要素を追加する方が難しい かろん @olt36
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。転生?レベル?そんな要素を追加する方が難しいの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます