第3話

ランクが3に上がり、最初にもらったものは銀髪少女だった。

しかも美少女。

銀髪だからっていうのもあるかもしれないが、なぜかエロく見える。

「……?」

少女の横顔を見ていると目が合ってしまった。

目が合うと、少女は不思議そうな表情を浮かべる。

まさか最初にもらうのが異性だとは……考えもしなかった。

「……リルム」

「へっ?」

「私、リルムっていうの」

「あ、は、はい……?」

突然の自己紹介に驚く俺。

「あなたは?」

「俺は真人。二年ぐらい前にここに飛ばされた人だよ」

「飛ばされた人……ああ、そういえばここの王がそんなこと言ってた」

「王が?あのレベル100以上の……」

「噂ではレベル100とかって言われてるけど、実際は違うみたい。私は、王と関わりはないけど」

「関わりがないならどうして知ってる?」

「私の友達が、王と関わりがあるって言ってた」


「―—それで、あなたのランクは?」

「ランク3だよ。まさかランク3になって最初にもらったのは君だとは……」

「ははっ、私もびっくりだよ」

リルムの友達は王と関わりがあるらしい。

しかし、その友達はめったに街に出てこないから、話を聞くことはできない。

かといって、王がいるところに行ったとしても、殺されるか、捕まるかのかのどっちかだとリルムは言う。

「真人は、女の子と付き合ったことある?」

「いや、ない。というか、どうしてそんな質問を?」

「私を幸せにしてくれるかどうかの実験」

俺がやるべきことは、この子を幸せにすること。

幸せといっても色々な幸せがあるが、この子の場合どうなんだろう。

「リルムにとっての幸せって何?」

「うーん……彼氏がいること、かな」

「彼氏……だから付き合ったことがあるかって―—」

「うん。だけど、真人とはまだだからね。だって、今日会ったばかりなんだし」

リルムと付き合えれば、この子は幸せになる。

だけど、そんな幸せでいいのだろうか?

俺にとってのゴールとは、この子を幸せにすることではない。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る