第4話 『ちょっぴり?怖がり』

ごはんを食べ終わった僕たち。次はなにをしましょうか。


               🐟🐟🐟🐟🐟


そうですね、寝るための準備をすることにしました。


「ハルくんってお風呂とかって入るの?」

「いや、入るわけないだろ。なんかタケってさ、頭よさそうに見えて、ちょっと馬鹿なんだな。」

「えっ、ぼくってばかだったの!?初めて知ったよ、ありがとう!」

「・・・そういうところとかな。」

「人、いやお魚さんから教えてもらったことにはありがとうじゃないの?」

「いや、馬鹿じゃなくて天然なのか・・・?」


ぼくは教えてもらったらありがとうだと思ってたんですけど・・・。まぁいっか。ハルくんはお風呂に入らないということで、ぼくはお風呂に入ってくることにしました。ほんとは、一緒に入ってみたかったのですが、仕方ありません。一人で入ってきます。


                🐟🐟🐟🐟🐟


お風呂に入ってきました。ぼくは初めての遠出だったので疲れていたんですが、少し疲れが取れたような気がします。あとははみがきしてねるだけです。


「なぁタケ。」

「はーい?」

「もっと面白いテレビ無いのか?」

「そうだね。あっ、僕の好きな番組がやってる!」


その番組をかけます。僕の好きな番組。それはですね・・・心霊番組です。とっても面白いんですよ。ちょっと怖いけど。


「どう?面白い?ハルくん・・・」

「タケ。変えてくれ。」

「えっ、なんで。面白くなかった?」

「そういうわけじゃないんだけどよぉ・・・・・」


そのとき!テレビ画面から飛び出してくる勢いで髪の長い女の人が突っ込んできました。


「ぎゃぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


いきなりハルくんが叫ぶのでぼくもびっくりして大声を出してしまいました。ふぅ。


「いきなりどうしたの、ハルくん。大丈夫・・・?」

「あっ、あぁ、だ、大丈夫だ。何のこれしき、まったく、こ、こ、怖くなんてないぜ。こんなんでビビってたらお、男じゃなしな。そ、それよりタケこそこんなん見てだ、大丈夫なのかよっ・・・・・・・・」

「うん、別にぼくはなんともないけど?」

「あ、な、なら、よ、良かったんじゃねぇの???」


ハルくんは怖いものがとっても苦手らしいです。こんなに叫んでいるハルくんは初めて見ました。釣り上げられたほうが怖いような気がしますが。まぁいいでしょう。ちょうど見終わってそれからはみがきを終わらせて、今度こそあとは寝るだけです。


「なぁ、タケはど、どこで寝るんだ。」

「ぼく?自分の部屋だけど?」

「あ、あっそうなのか。・・・・・・・」

「ひとり、いや一匹でこの部屋にいるのが怖いの?」

「い、いやぁ、別にぃ、そんなわけ、あっ、あるかよ。さっきの番組見たぐらいで。」


どうやらハルくんはさっき見たテレビのせいで一人で寝れないようです。これは、ハルくんが怖いのが苦手ということを知らなかったとはいえ、見せてしまったぼくにも責任はありますね。ちょっとお父さんに頼んでみましょう。


                 🐟🐟🐟🐟🐟


「お父さん。」

「なんだ、タケ。」

「ハルくんがさ、さっき見た番組のせいで一人で寝れそうにないんだ。」

「・・・タケが好きな心霊番組か?」

「うん、そうなんだ。」

「まぁ、あれは誰が見ても怖いからな。タケ以外。で、どういろっていうんだ。」

「今日だけリビング、水槽の隣に布団を引いてくれない、お父さん。」

「いいけどさ。水槽の横だと倒れてきたら危ないから、少し離すけどいいか?」

「うん、いいよ。ありがとう、お父さん。」

「あぁ、そんなこと気にするな。」


ということでリビングに布団を引いてもらいました。


「おぉ、タケ、こっちに来たのか!なんだ、さっきの番組見てひとりで寝れなくなったのか。そうかそうか。」


ぼくが怖いってわけじゃないんだけどね。


「ハルくん、ぼく今日体動かしすぎて眠いからもう寝るね。」

「あぁ、俺も寝るよ。」


なんかさっきよりも安心してる気がする、ハルくん。


「おやすみなさい、ハルくん。」

「おやすみ、タケ。」


今日、ぼくはハルくんが『ちょっぴり?怖がり』ということを知りました。

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