第4章 夢と現とあの子は何処。

落ちて目覚めて夢を見て。

男の意識が落ちついた先は、見慣れた自分の家であった。

屋根を突き抜けて辿り着いたのは、男自身のの部屋であった。


「いてててて……」


駅前に落ちたときには何の痛みも感じなかった男だが、今度ばかりは激痛が走ったようである。

布団から起き上がり、枕元に転がるスマホをには、12月15日 AM6:05の表示。


男は、果たして自分が見ていた不思議な夢のことを考える。

そもそも本当に夢なのか否かも全くもってわからないのである。


「今日の予定は……。特に何もないのか」


男の手帳の12月15日欄には、何かが書かれていたであろう跡は残っているが、消えている。

それはおそらく、自身の手で予定をキャンセルしたことを表しているに違いなかった。


「どうやら今日はゆっくり出来そうだ……」


男は二度寝という贅沢を貪ると決めた。


天井の梁を眺めながら、男は深く考えた。

なんとも恐ろしい夢を見ていたものだと。

反芻してどんな中身だったのかと思い出してみるが、殆ど記憶の彼方に消し飛んでしまったので、全く追想出来ないのである。

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