やり直し。
少女はわざとらしい咳ばらいをすると、つづけた。
「とにかく!おにいさんがずいぶんと惨めで寂しい人生を送ってきたことはよくわかったから」
「いや、まだ聞きたいことが……」
「却下します!」
次第にこの状況に慣れてきたのか、男の顔には若干の余裕が垣間見える。
「おにいさんが持つ異常なまでの彼女への愛を称えて、もう一回だけチャンスをあげるわ」
「は?」
大鎌は今にも振り下ろされそうになっている。
「今度はちゃんとわかってるんだから、自分で回避してね」
今度は少女の手が、肩に触れた。
押し倒されるような感覚とともに、体がどこかに落ちていくのを感じた。
「健闘を祈ってるよ、おにいさん」
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