6
金森は、二階の警備室に舞い戻っていた。
身を隠そうともしていない。監視カメラのモニター前に仁王立ちになり、佐伯の動きを追っていたのだ。行き先がMRI検査室だと確信できた時に、わずかに笑みを漏らした。
そして、必ずそこで佐伯を殺すと自らに誓った。
*
MRI検査室に入る際に、ベッドが大きく揺れた。身体を突き上げるような振動で、わずかに横向きになる。今まで見ることができなかった角度で、視界ががらりと変わった。身体全体が動いたのか?
いや、違う! 振動で動いたのは首だ! 首だけだ!
もしや……。
動いた! また、首を真上に戻すができた。ほんの数センチだ。それでも、自分の意志で首を振ることができた。
首が動かせる!
回復しているんだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます