金森は、二階の警備室に舞い戻っていた。

 身を隠そうともしていない。監視カメラのモニター前に仁王立ちになり、佐伯の動きを追っていたのだ。行き先がMRI検査室だと確信できた時に、わずかに笑みを漏らした。

 そして、必ずそこで佐伯を殺すと自らに誓った。


          *


 MRI検査室に入る際に、ベッドが大きく揺れた。身体を突き上げるような振動で、わずかに横向きになる。今まで見ることができなかった角度で、視界ががらりと変わった。身体全体が動いたのか?

 いや、違う! 振動で動いたのは首だ! 首だけだ!

 もしや……。

 動いた! また、首を真上に戻すができた。ほんの数センチだ。それでも、自分の意志で首を振ることができた。

 首が動かせる!

 回復しているんだ!

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