第16話 苦しい③
①『苦しみ、悲しみ、怒り、悩み、それは生きている証拠であり、生きている中身である』
②『苦にありて楽をし、楽にありて苦を知る』
①について、こう言った筆者は、「自分の人生をどう生きるか?」って事と繋がっていると言う。
つまり、苦しみなどの原因を見極め、それについての対処について、しっかりと考えられる、それがどう生きるかになるのだと。
そして、何度も何度も、苦しい、悲しい、ツラい、などの試練を乗り越えようと積極的な姿勢で行動する事で、人生が充実するのだと。
②については、これ、誰の言葉であろうか?
たぶん、名も無い風鈴と言う
最初の苦にありて楽ってのは、少なくとも二つの意味がある。
苦しい時、笑顔になれ、ジョークの一つでも笑って言ってみろ、って事がひとつ。
苦しい中にも、実は楽しいこともあるものだってのがひとつ。
前者は、テニスプレーヤーの杉山愛がよく言う話の、私なりの脚色。
後者は、例えば、勉強。
難しく、そして、分量の多さに辟易することもあるだろうが、知らないことが分かるようになる面白さ、できなかった問題ができるようになる面白さってのもあったりする。
他の例として、禅宗の修行僧の話。
座禅とか、日常の決められた修行に追われる毎日。
座禅が多いが、板壁の前に座り続け、無念無想の境地に近づこうとする時、時間が飛ぶことがあるそうな。
それは、夢を見たのか、心が異世界へ行ったのかは知らないけど、無我の境地は得も言われない恍惚としたモノであるらしい。
ランナーズハイのような脳の麻薬的な物質が出ているのか、ドーパミンが出ているのかは知らないが、身体を極限に追い込むと起こる現象があったりする。
ちょっと話しが逸れたが、楽にありて苦を知るとは、文字通り、楽しいと感じる時に、如何に苦しかったのかってのがわかる。
でも、それだけじゃなく、楽だよね今って時に苦しかった思い出を振り返る時、アレはつらかったけどそれなりに頑張った、今の楽をしているのってちょっと頑張ってないなと後ろめたく思ったりする。
そんな気分になるって事で、内省し、何かを始めたり、もっと前に向かって進もうとするっていう積極的な意味を含めたんだけどね。
①②の解説はそんなところだけど、①については、具体的な苦しい時の対処法をまだ書いてないので最後にその例を紹介する。
ある問題で悩むなら、その問題に正面からぶつかる。
会話とか言葉で解決できるなら、それに越したことはない。
つまり、心を晒して話す事、謝るなら真摯に謝る事。
それは早ければ早いほど良い。
それから、文や手紙に文字で書くことによって、自分の気持ちを吐き出すのも良い。
もちろん、友人とか家族とかに話して気持ちを和らげることでも良い。
そして、私の対処法は、行動は素早く起こす事。
対人のことなら、真摯な態度をとる事。
心が不安で、苦しいのなら、それを落ち着けるために、本を読むこと。
それも時代物で、例えば、宮城谷昌光の一連の著作。
いろいろな困難にぶつかりながら克服していった偉人たちの話が心に響くのだ。
多分、ひとそれぞれに合う対処法があるのだろうが、それを持っていないのと居るのとでは大違いだ。
今、もし心が何事もないのなら、冷静に考えられるはずなので、いろいろと試行錯誤してみたらどうだろう。
そんなこと、考えたことがないって人は、考えてみたらどうだろう。
きっと、何か事が起こった時、その行動や気持ちの、一つの指針となるかもしれない。
最後に、大好きな故事成語を。
『人間万事塞翁が馬』
今回は、ここまで!!
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