第14話  苦しい①

 苦しい、ツラい、悲しい、腹が立つ、絶望するなど、人間生きていくうえで、いろいろな困難や苦難がつきまとう。


 ラノベでも、物語の最初がそうである、あるいは最初の方でそういう事になったりすることが多い。

 なぜか?


 それは、ラノベを読む読者の多くが、苦難や困難、理不尽に翻弄される主人公が登場することに、まずは惹かれるからだ。

 いや、これは、数多の物語が、最初に試練や事件が起きることからスタートしており、それ自体、陳腐なスタートだとも言えるだろう。


 まずは、主人公の苦難する姿に共感を抱いてもらい、お話に興味を持ってもらう。

 その手っ取り早い方法が、それだからだ。

 まあ、その話の持って行き様には、各人各様のやり方があるだろう。

 かく言う私も、最初はわかりやすく、そんな主人公の話からのスタートだ。


 それはそれでよいと、今の時点では思っている。

 特に、ネットのラノベは、いつでも携帯で読める便利さから、楽しく、ワクワクする世界がポチっとボタンを押しただけで広がっていると思う人たちが、その読者なのだから。

 私も、その一人なので、よくわかる。

 そして、次が読みたいって思ってもらえたら、最高だろう。

 つまりは、即席ラーメン的な要素が必要なんだと思う。


 しかし、私はラノベ読者についてとか、その書き方についてをここで語るつもりはない。


 主題は、苦しい人生についてだ。

 主人公に困難、苦難を与える。

 それらは、しかし、我々も大なり小なり、人生で経験する、あるいは経験した。

 質の違いはあろうとも、生きていたら、イヤな事、怒ったこと、泣いたこと、悲しい事、いっぱいして来ただろう。

 もちろん、楽しかったことや笑いあった事、嬉しかったこともたくさんあるだろう。


 だが、やはり、苦しい時にどうしたらいいのか?

 それについて考察し、対処の仕方を持っているのと、そうでないのとでは、人生を歩む上でのしなやかさ、心のゆとりが違ってくる。

 そして、ヒトは苦しい時に、その人の有り様が問われる。


 最近の、無差別殺人の話など、自分が苦しいとか死にたいとかで、他人を巻き込んで死のうとする犯人の多い事は、ニュースでも話題となる。

 自己中なんだよ、精神的に幼いままなんだよ、とか非難される。

 確かにそうだろうが、しかし、ある程度歳をとった者が、そのような感じで学校時代や社会人時代を経てきたことに、日本社会の問題が潜んでいる。

 海外の先進国では、学校には心理カウンセラーが配属されたり、社会的にも精神科に通って精神のケアを受けることに戸惑いはない。

 日本は、自殺率が世界でもトップクラス。

 G7では、1位(2016年)らしい。

 そして、なんと、男性の方が女性の2倍自殺している。

 これは世界的傾向らしい。

 男性の方が、自殺数が明らかに多いのだ。


 しかし、日本の心のケアについての社会的不備について論じようとは、私はしていない。


 いやー、前置きが長かったぜ!

 って、ちょっと言ったのだが、苦しい、ツラい、そんな状態の考察をまず、したい。


 でも、ここまで書きすぎたので、次回に書くw

 ちょっと、名言を。


『神が我々に絶望を送るのは、我々を殺すためではなく、我々の中に新しい生命を呼び覚ますためである』

 by ヘルマン・ヘッセ


 今回は、ここまで!



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