第4話 接吻

 おほほほ。

 接吻!


 なんというか、艶やかなる言葉。



『接吻の非命の快楽(けらく)、


 わななき、懼(おそ)れよ!


 狂へ、狂へ、滅びへと!


 死なむ、死なむ、二人は死なむ』


 これ、白秋の詩を少しだけ難解だから弄ったんだけどね。

 なんというか、スゴイね。


 接吻によって、昇天していく二人を文学的に抒情的に表すとこうなるのかな。


 非命の快楽っていうのが、ステキすぎる!


 卑猥な事ではあるんだけど、擬音とか使わないんだよ。

 ともすると、そんな安易な表現でエッチなことを書いてしまうのだけど、それはヘタクソなのかもしれないね。


 接吻で死ぬ・・・そんな接吻なんだよね。

 だから、快楽が尋常ではない。


 もうね、非命ってのがね、悲鳴に聞こえちゃって、スゴイよね!


 わたしは、こうして、偉人の詩を学ぶのでした。



 って、これも近況で書いたモノで、キスつながりだから、連続でキスのことをここに取り上げますが、キスの事をお話ししたいわけではない。


 文学的表現は得てして、読者に伝わりにくかったりする。

 読者さんの悪口を言うのではなく、読者の層の問題でもあり、伝わらないのをワザと書くのもあるんだけど、書き手の意識の問題もあるとは思う。


 しかし、文字なのだから、伝わらなければ言葉としての存在意義がなくなり、そういう大衆ウケしなくなってきた言葉は、きっと陳腐なものとなり、やがて忘れ去られていくのだろう。


 お話も、その通りだと思う。

 如何に文学的に書こうとも、描写に凝っていようとも、多くの読者の支持が得られなければ廃れてしまう。

 哀しいかな、それが大衆文学であり、その最たるものが、ここのラノベだろう。


 だから、楽しく書くのは基本だけど、読んでいる人を想像しても書く。

 楽しんでもらえるか、ここ、伝わるだろうか、また読んでもらえそうな感じで終われるか、とかとか。


 でもね、文学的な表現とか、私は勉強中なんだけど、そういうのも、文字を読みたいって人ならば、そんな表現の、ちょっと小難しくも、ちょっとキザッぽい感じの、ちょっと文学って感じのも、読んでみたいと思わないだろうか?


 そんな事を私は思うのですよ。


 今回は、ここまで!




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