ほんとにやめてくれ。

最近起こった不思議でちょっぴりホラーな出来事を書こうと思う。


それがはじめて起こったのは確か2週間ほど前。

その日は夜遅くにお風呂へ入り、寒い寒いと言いながら着替え、髪を乾かしていた。

そういえば最近髪がガサガサしている。

清潔感を出すために、サラサラ髪は必須だろう。目指せCMのうるんとさらさらヘアー。

てなわけで母親が買ったヘアオイルをこそっとつかってみることにした。

前調べたネットの記事では、「オイルを手に馴染ませてから、髪全体に満遍なく付けていくと良い。」と書かれていた気がする。

早速やろうとオイルを用意するが、お風呂の湯気で洗面台の鏡が曇っている。

このままではちゃんと付けているか分からないじゃないか。。

私はドライヤーの熱をあてて鏡のくもりをとった。鏡が痛むかもしれないが、これが一番綺麗になる。

端っこまでしっかりと熱をあてて綺麗にしていたが、ここで異変に気が付いた。

鏡の中心部分。

ここだけ何故かくもりがとれず、白くにごったままだ。

頑固なくもりだなぁ、、とそこまで深刻に考えていなかったが、鏡全体にドライヤーをあてて綺麗にしてから鏡を見る。

するとそこにはだれかの手形がべっとり。



、、、、、、、怖っ、、、、

いや、まって、むりむりむりむり。


ホラーが大っ嫌いな私は急いでティッシュを濡らし、その手形を拭き取った。

き、きっと、弟のイタズラだろう。そうだろう。今回だけだよ。許すから。

怖すぎてオイルのことはすっかり忘れていた。

そんですぐに寝た。




一回目はそれで終わり。

しばらくは手形もなく、ごく普通の鏡だった。




しかし、2回目が起こった。


今日は1番にお風呂へ入った。一番風呂は最高だ。

お風呂から上がり、スマホを見ながらゴロゴロする。

いつの間にか時計の針が11時50分をさしていた。

やば、そろそろ寝ないと怒られる。

そう思い、急いで歯を磨きに行く。

今日の鏡はくもっていなかった。。


何も考えずにふと鏡を見ると、またあの手形がべっとりとついていた。




「お母さんんん!!!!!!!!!!!」


急いで母を呼ぶ。

まっくろくろすけを捕まえためいちゃんのように。


「これ!みて!こわ!ホラー!まじで!」

「なにこれ?誰の手形?弟のやつ?汚いで拭いといて。」


、、それだけかい!!!

怖くないの?手形だよ?誰のかも分からないんだよ??!!

ほんとにやめて欲しい。ほんとに。ホラー無理だから。大っ嫌いだから。怖いの嫌だから。


急いでティッシュを濡らし、手形を綺麗に拭き取る。

お願いだからやめてください。ほんとにお願いします、、、


ききききき、きっと弟のしわざに違いないから絶対に。

あした問い詰めようと思う。絶対辞めてくれと。お願いだから。ほんとに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る