ラブ・カップルな

インターネットの契約をする顧客の初期設定をサービスでする部隊がある。そこでの人員不足が発生すると、サポートチームにヘルプ依頼が来る。今回はそんな依頼だ。

場所は、中野区。

小綺麗な2DKのアパートだ。

チャイムを鳴らすと、出てきたのはもろ「キャバ嬢」だ。

部屋に入ると、やたら香水の匂いでめまいがする。

ジャージ姿で彼氏らしき人物も登場。もろホストって感じだ。

無線LANでネットをしたいということだが、ちょっと厄介なのは機器がWindowsとMACの2台。おまけに無線の機器はエアーマックというアップル製品で少し癖あり。MACは彼氏が使っているらしく、エアーマックと相性も良いので問題無しで接続ができた。問題はキャバ嬢のWindowsだ。相当相性が悪い。

少々型落ちしたマシンで速度も遅いし不安定だ。yahooでさえ開くのに重い感じ。

試行錯誤を繰り返すが、なかなかうまく行かない。

正直ベースで原因を話す。彼氏は自分のMACで寝室でネットし始めてる。

キャバ嬢はスマホも重いと言い出す始末で困惑ぎみ。

それにしても、胸元が薄着で仕事にならない。

自分も一応男なのだが、まるで気にしていない様子。

お金には不自由しないだろうと、思い切って彼氏と同じMAC購入を勧めたが扱いが慣れていないので欲しくないとのこと。Windowsの高スペックマシンでも保証はできない。無線LANの買い替えは彼氏が納得しない。

板挟みになっている状況が続く。

しまいには、ふたりとも昼間から酒を飲みだす始末だ。

少し細かい設定を色々やってみるということで濁した。

ふたりとも寝室で何やら言い争いが始まってきた。何か物を投げる音も聞こえてきてかなり修羅場のようだ。

15分ほどしてかただろうか、急に静かになってきた。

実際色々試行錯誤をするとは言ったものの、やってるふりしかできない。

このまま、どちらかが折れてくれればと願っていた。

しかし、1時間で終わる予定が、、、

あいつらが静かになった原因は想定外だった。

セックスをし始めたのである。

寝室からキャバ嬢の小さい喘ぎ声は聞こえるは、男の吐息も時折激しく聞こえてくる。

しょうがないから、無線LANの説明書でも読みふけってから。小さい声で会社に電話してきますといい部屋を出た。

いったいいつ終わるのだろう。

早く帰社したい。

30分後と予測を立てて、自販機でコーヒーでも買って時間を潰した。

もう大丈夫だろうと言う時間似部屋に戻る。

物音がしない。終わったのか。

どうやら二人ともやり終えて、寝てしまったらしい。

勘弁してくれよ。

仕方なく、彼氏を呼んでみた。

「何とか設定調整終えたので確認してもらえますか」彼氏が部屋から小声で「もう大丈夫じゃないですか、こいつMACにするみたいですよ」

絶句、こいつらセックスで仲直りしたのか、逆転勝利の気分。

とりあえず、キャバ嬢の気が変わる前に退散することで無事終えた。

その日の夜、寝付けなかったのは間違いない。

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