電気は地球に必要な資源

ウイルス騒動も一段落した最近では、インターネットに関するコールも少なく、もっぱらメール設定やOffice製品の問い合わせが目立つ。そんな中、高齢男性の方からのご指名コール。数ヶ月前にアダルトサイトを見てウイルス感染した人だ。忘れもしない、家電量販店で高額ソフトを購入させられた人だ。今日はインターネットに接続でいないということらしい。早速お決まりのウイルススキャンをするが問題ない。ウインドウズのアップデートも完璧だった。最近では、パソコン教室にも通い始めているらしく、こちらの操作依頼にもサクサク対応してくれる、見事だ。これという原因も不明で、パソコンを再起動させるが効果なし。パソコンからのLANケーブルは弊社モデムにしっかりと接続されている。モデムのランプを見てもらうと、すべて消灯しているとのこと。久しぶりの機器故障なのか。数日目にひどい雷もあったとのこと。落雷による機器破損か。

一応こちらからモデムへの信号を送信してもらうので、一旦折返しとする。

技術部への調査で信号がお客の自宅まで到達しないらしい。やはり機器故障の可能性が高い。再度お客へ電話をする。TVは映り、他の家電製品は問題なく動作しているとのこと。

機器交換の話をする。できるだけ急ぐようには伝えた。対応を終えようとする前に、ふとまさかの疑問が脳裏をよぎる。「最後に1つだけ確認させていただきたいのですが、モデムの後ろからご自宅の電気のコンセントに刺さっているケーブルはありますか。」男性は即答で「そんなものないですよ」と一言。

ありえない。ケーブルを探していただき、コンセントに差し込むことをお願いする。すると、ランプは点灯、インターネットも接続できるようになった。男性は苦笑していた。家電製品と同じでモデムが電気で動くことを説明した。しかし、契約時に工事担当者が電源を入れるのだが、なぜ抜けていたのか気になった。男性がポツリと、毎回パソコンを使い終えたら、抜いていたそうだ。家電とは違い、電源を入れっぱなしであることが正常と説明する。

最後に男性から言われた。

「電気の無駄使いじゃないですか」

絶句。こんなことで電話するほうが、電話代の無駄使いですからと、心の中で呟いた。

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