芸能人もインターネット
ウイルス騒動も山を迎えた。新たな変異種に対応すべく、研修も行われた。原則は、パソコンメーカーへ振るという流れだが、切り分けをする作業の勉強である。
久しぶりに優しい声の女性からのコール。
グルメサイトを見ようとしたら、変なポップアップ画面が表示されるらしく困っていた。色々確認するとウイルス感染が明確になった。
二日前に購入したらしく、メーカーは大手メーカーである。価格は30万を超える、オーディオ内臓のもの。当然保証期間内なのでサポートしてくれるということを伝えた。
しかし、電話がメーカーにつながらずに、ここへ電話したということを言われた。
顧客履歴はない。しかしふと、契約者の会社情報には、某大手芸能事務所の文字。
たしかに名字はそれだとわかるぐらい。
芸能人もパソコンやるんだな。とつまらん思いも寄せながら。一気に緊張が走る。丁寧な対応、クレームが来ないように。
幸いにもウイルス駆除ソフトは存在していたので、スキャンをするように依頼した。
午後からサロンへ行くとのことでまた電話をするといい終わった。
しばし顧客の欄を見つめ、ため息をついた。
立地場所含め、豪邸だ。やはり芸能人はすごい。
ランチタイムが終わると早速指名でコールが入る。スキャン結果を知らせてくれた。230数個のウイルスが見つかったとのこと。
もはやソフトウェアとして機能していないほどの数。購入したばかりということもあり、メールなどの設定やデータもないので、初期化をおすすめした。
パソコンの型番から初期化手順の説明書を読んで実行するように伝えた。
恐らく無理だろうな。男性ならまだしも、女性だ。特に機械には弱いはず。次のコールに備えるかという思いであった。
当時はコールはなく、翌日もない。
気になったので、確認した。新規メール・インターネット設定でコールがあったようだ。
しかし、そこに記載されているパソコンのメーカー名が違う。目を疑うコメントが備考欄に記載されていた。「以前のパソコンがウイルスに感染したため買い替え。新規設定の依頼」30万もしたパソコンの行方がとても気になった。対応した人にすかさずチャットを投げる。「パソコンどうしたの」「粗大ゴミに出したらしいよ」
絶句。捨てるなら一声かけてほしかった。
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