第41話 ドディ、ダーロvsアント、チーク
残り魔力量
ドディ 30万
ダーロ 15万
アント 28万
チーク 25万
同時刻
「肉体変化か。獣族だけが出来る特殊能力だな」
チークはまるで面白そうな物を見る目つきをしてそう言った。
「ああ、久しぶりに見る。俺の工場に来るのはいつも弱った獣族ばかりだったからな」
アント野太い声を上げたてチークの方を見た。
「なぁ、チーク。このドディっていうのが総大将か。傷つけずに殺せたらどれぐらいで売れそうだ?」アントは続けて聞いた。
「うん? そうだな。歴代最高額を更新しそうだ」
「ほう、やり甲斐しかないな」
「気をつけろよ、アント。その分レア物で強いって事だ」
「いや、良い
アントがそう唱えると地面が何かに引っ張られる様に盛り上がった。地面であった物は空中で形を変え、土の巨人になった。
ドディは先程から続くアントとチークのやり取りに怒りが募っていた。クリスタル王国の
「ダーロ、こいつらはロゼ一派とは違う。本気で行くぞ」
「はい、総大将」
「獣族体術
ドディとダーロは跳躍した。肉体変化によって巨大化した2人の拳に3万の魔力量が含まれている。
「ウオオオオオオ」
ドディとダーロの2匹の獣から繰り出される拳はアントの
そこに追尾するかの様にドディとダーロは襲いかかった。
「だから言わんこっちゃない。
チークは両手の指先から風の弓矢が発生した。次々と発射されていく弓矢。アントに迫り来るドディとダーロは突然現れた
「おい、チーク。レア物は傷つけたらダメなのじゃ無いのか?」
アントは振り返って叫んだ。
「アント、集中しろ。攻撃が来てるぞ」
チークが冷静に指摘するので、アントは直ぐに前を見た。
「獣族体術
ドディの拳がアントを襲った。
「
アントは体を硬質化して自分を守る。その動きは反射的だった。
「いてーな。まぁ、こうじゃなきゃ、
アントは汚れた獣族の皮で出来た服の埃を払った。
「アント、こいつはもう皮にして売り飛ばすのは無理だ。ちゃんと手加減せず殺さなきゃこっちがやられるぞ」
チークは気を引き締めたてアントにそう言った。
「どうやらその通りの様だな。
アントはこちらを向いたてそう言った。
「アリだな。複合魔術
「
アントとチークの2人の間の魔力が混じりあって行くのがドディには見えた。地面が盛り上がり、前回よりも更に大きくなった。大型巨人となったその手には魔力で出来た弓がある。弓には水と風の性質を持った二つの矢を取り付けていた。
「やっかいなものが出てきた。魔力量10万同士の合体技とは」
ドディは困った様な声を漏らした。
「総大将、我々も力で対抗しましょう」
「いや、ダーロ。お前はもう大きな魔術を使うな」
「なっ、確かに残り魔力量は少ないですがあれを倒すには命を削ってでも…」
「削る命はワシだけで十分だ。ダーロよ、ワシに魔力を7万ほど預けろ。合体技だ。後はワシがやる」
「分かりました。総大将」
「なんだ、さっきから作戦会議か? いくらお前ら獣族が知恵を絞っても我々、
アントがそう言ってドディとダーロを煽った。
「その通り。だが、獣族の命は無駄にならない。これからも皮は高級品として売られる。クリスタル王国の繁栄に貢献しろ」
チークはアントと共に大型巨人の方に乗った。
「くらえ、合体技
放たれた風と水の矢はドディとダーロ目掛けて一直線に進んだ。
「準備できました、総大将。」
「よし、ものを見せてやる」
ドディは迫り来る2本の矢を見た。オズワルドに拾われた過去。サーロンになって変わった扱い。サーロンは白魔術を発症していなかった。だが、ロゼは違う。もうすぐに本物の王が帰ってくる。今度は我々が助ける番だ。こんな所でくたばってたまるか。
「合体技
ドディの周囲に雷と炎が混じった魔力が生じた。それはドディの拳に収束された。風の矢には炎の拳、水の矢には雷の拳を当てた。それぞれ魔力性質の弱点を突き、尚且つ魔力量もこちらが上回っている。
ドディは矢を吹き飛ばした。大型巨人の両肩に乗っているアントとチークの元まで帰ってくる格好になった。
「なん…だと?」
両肩に直撃した矢は爆発し、地面の土で出来た大型巨人は崩れ去る。
ドディは力が抜ける感覚があった。大きな魔力量は体力の消耗が激しい。崩れた瓦礫から2人が起き上がってくる。
「
雷を纏ったダーロが象の重さを利用して、天からのしかかった。
「グハ…」
「ぐあ…」
アントとチークは同時にダーロの攻撃に巻き込まれた。ダーロは感触的に2人が二度と起き上がって来れない状態になった事が分かった。
「はあはあ…やりましたよ…はぁドディ総大将」
「もう喋るな。ワシも暫く動けない」
ドディもダーロも数多の魔力量消費で身体が動かなくなっている。
「取り敢えず、ワシらの勝ちだ」
残り魔力量
ドディ 2万
ダーロ 1万
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