17
17
彼女の申し出は嬉しいけど、やっぱりそれを受け入れるわけにはいかない。
だってドラゴンとの戦闘を避けられたのはたまたまかもしれないし、そうじゃなかったとしても原因が分からない。
そんな状態で仲間にしてもらおうというのは何か違うと思うし、無責任のような気もする。
そもそも僕が魔王討伐の旅をしているということを彼女は知らないのに、巻き込むわけにはいかない。
「ミューリエさん、ごめんなさい。僕はあなたと一緒に旅をすることは出来ません」
僕は真っ直ぐ彼女の瞳を見つめながら気持ちを伝えた。そして深々と頭を下げる。
それに対してミューリエさんはしばらく沈黙したまま考え込んだあと、納得したような顔をして静かに頷く。
「……そうか。アレスにも色々と事情があるのだろう。では、せめてアレスがこの町にいる間はともに過ごさせてくれ。それくらいなら良かろう?」
「えぇ、喜んで!」
その後、僕は何日か彼女と過ごしたあと、次の町へ向かってひとりで旅立ったのだった。
NORMAL END 2-3
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます