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 彼女の申し出は嬉しいけど、やっぱりそれを受け入れるわけにはいかない。


 だってドラゴンとの戦闘を避けられたのはたまたまかもしれないし、そうじゃなかったとしても原因が分からない。


 そんな状態で仲間にしてもらおうというのは何か違うと思うし、無責任のような気もする。


 そもそも僕が魔王討伐の旅をしているということを彼女は知らないのに、巻き込むわけにはいかない。


「ミューリエさん、ごめんなさい。僕はあなたと一緒に旅をすることは出来ません」


 僕は真っ直ぐ彼女の瞳を見つめながら気持ちを伝えた。そして深々と頭を下げる。


 それに対してミューリエさんはしばらく沈黙したまま考え込んだあと、納得したような顔をして静かに頷く。


「……そうか。アレスにも色々と事情があるのだろう。では、せめてアレスがこの町にいる間はともに過ごさせてくれ。それくらいなら良かろう?」


「えぇ、喜んで!」


 その後、僕は何日か彼女と過ごしたあと、次の町へ向かってひとりで旅立ったのだった。



 NORMAL END 2-3

 

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