第204話 ハイブリッド兵器への道とシスティーナ、オルティナのカード 10月上旬
<<サイレン>>
ディーとのお金儲けの話は終わり、冒険者ギルドまで歩く。
「いよっし。でかした!」
少し離れたとこで、何故か徳済さんに褒められた。背中をバンバン叩かれる。この辺がおばちゃん臭い。
「いや、医療留学や美容の旅行って、あまりラメヒー王国関係ないでしょ? 許可が下りるか微妙だったのよ。報酬の話で交渉も長引きそうだったし。でも、今日で一気に話が進んだわ」
「そうだ。俺の所も、お金を払ってもいいから調査隊をこっちに入れさせてくれっていう要請が凄くってな。俺が判断するわけにもいかんし、これで話が進められる」とは高遠さん。
やっぱり、異世界に入りたいという要望は凄いんだな。
多分、皆気を使ってくれて、俺に強く要請しないのだろう。その辺はありがたい。
「あはは。俺も冒険者の増員に動画スタッフに動けるようになった。これからが大変かもだが」とは前田さん。
「前田さん、誰か宛があるの? 動画の方」
「ああ、知り合いにネット動画を撮影、編集しているヤツらがいる。とても義理堅い連中だ。センスがいまいちという問題を抱えているが、今は信用第一でいきたい」
ううむ。センスがいまいちなのか。でも、確かに信用第一だよな。
「ところで、動画って、何を撮ろうとしているわけ?」と俺。少し心配だ。
「とりあえずは恐竜だろうと思う。この国の現状とかは、国の意向もあるだろうから、ひとまず秘密にすべきだと思う。自主規制だな」と、前田さんが言った。
「それがいいと思うわ。何処で何が関係してくるか分らないし」と、徳済さん。
「あとは、マルチロールがあったら、いい絵が取れると思うんだがなぁ・・・」と、前田さんが言って、こちらをチラチラと見る。
マルチロールを貸して欲しいのだろう。気持ちは分る。アレはとても便利だ。どうしたものか。
「アレは魔石がなぁ。未だに値段が付けられたことがなくて。整備や管理の問題もあるけど、そもそも『魔王の魔道具』の親機が無いと、魔力の補給に問題が出る。俺がアレを艦載機と呼ぶ所以。母艦が無いと運用できない代物なわけで」
値段や補給の問題もあるけど、気軽に貸し出すと切りが無いのだ。タマクロー家にも貸し出しを渋ったし。今は、艦載機は魔石ハントに使うべきだ。
「レンタルでもいいし、軍用の高スペックで無くてもいい。どうだろうか」と、前田さんが粘る。
「少なくとも『魔王の魔道具』の親機のレンタルは無理ではなかろうか。ラメヒー王国の母艦から魔力供給が受けられるんなら、高速輸送艇タイプをなんとか・・・」
「そっか。当面は無理か」
「もう一度言うけど、ラメヒー王国が『魔王の魔道具』を補給に使わせてくれて、マ国に一言説明しておけば、貸し出せる可能性はある」
「わかった。無理は言えないさ」と前田さんが言って、素直に引いてくれた。
「多比良さん。逆にマ国の許可があればいいって、話なら・・・真面目な話、それ、1台三角重工に預けてみる気はないか?」と、高遠さんが言った。
「預ける? 研究目的の貸与?」
「そうだ。『魔王の魔道具』が無くても、フレーム部分や銃の台座、魔道具で無い部分はどうとでもなると思うぜ? 加藤さんの『ラボ』で造る艦載機は、あくまで空飛ぶバイクが根本だ。だが、反重力発生装置は、車や有翼の飛行機、それから船などにも応用が利くだろう。それに、民生用と兵器とではまた異なってくると思うんだ」
「民生品と兵器って、やっぱり違ってくるもんかなぁ」
「全然違う。目的が違うからな」と、高遠さんが断言する。
まあ、今は武装と言っても、空飛ぶバイクにロングバレルを無理矢理取り付けているだけだからな。
「加藤さんやマ国の魔道具士達に説明して、一度第2世界のメーカー含めて話合った方がいいかもしれないな。加藤さんが趣味で始めた製品で戦闘行為をして、途中、壊れでもしたら目も当てられない。自己責任とは言っても寝覚めが悪い。今は何とかなっているけど」
「じゃあ・・」
「分かった。マ国と相談してみようか。ただし、当面は今度のスタンピードに役立つようなことをして欲しい。儲けや第2世界用の兵器を考える前に」
「ああ。任せておけ。この国がダメージを負ったら俺たちにも影響が出る。絶対に悪いようにはしない」
「そうよ。子供達も、この国で勉強してるんだし。モンスターなんて、自衛隊でも米軍でも連れて来て一緒に協力して倒せばいいじゃない」
徳済さんは、そんな夢みたいなことを言う。
「少し話は変わるけど、第2世界の兵器って、スタンピードにどのくらい通用するのだろうか」と、切り出してみる。
「それ、実は三角重工では検討を始めている。国交が樹立したら、必ずスタンピード支援の話になると思ったからな。だが、実は第2世界の兵器を持ってくるのが最適解かというと、それは分らないというのが今の分析だ」
「え? そうなの? 近代兵器でも駄目?」
「もちろん、単体を倒すだけなら簡単にできると思われる。だが、あちらの武器は、万単位の、それも次々に押し寄せるような巨大な敵を想定していない。軍艦は持って来れないだろうし、核兵器は論外だろ? 今の兵器は、1発何千万もするような携帯ミサイルだったり、戦闘機を倒すための戦闘機だったり、自衛隊に限って言えば戦車は数が少ないし。対人兵器とか持ってきても意味が無いだろ? 当たり前だけど、敵の性質に合っていないんだよ。相手は損傷も恐れずに突っ込んでくる軍隊なんだから」
船舶は大きさによっては持って来れないこともないと思うが、今はスルー。
「火砲の類いは?」
「もちろん、火砲は効果があるだろう。スタンピードだったら、適当に撃っても当たるだろうし。機関砲も口径次第でモンスターにも有効だろう。城壁の上にずらっと並べてな。だが、それならば、ロングバレルでいいって話になるんだ」
「タラスクも鬼ヤドカリもロングバレルで抜けるんだよな。ゾウみたいな巨大なやつも集中砲火で倒せるし。確かにロングバレルだけでもなんとかなりそうではある。じゃあ、無理してラメヒー王国が第2世界の国から武器を購入するより、せっせとロングバレルを大量生産した方がいいのかな?」
「ただ、タラスクも大きいやつは、数キロくらいは火球を飛ばしてくるんだろ? 出来れば射程5キロ以上の火砲が欲しいところだ。ロングバレルの射程って、ガンシップから撃っても数キロだろ? なので、射程が欲しい場合には、あちらの兵器が有効になるだろう。長距離で野戦砲、中距離で機関砲や迫撃砲、短距離でロングバレルとかな。それから連射性能だ。命中率に繋がるからな」
「なるほど。それならば、長距離型のロングバレルとか造れないのだろうか」
「そう。そういう考えになる。ロングバレルは60口径30ミリ無反動砲という部類になる。2.5mくらいの細長い鋼材と、その辺の土が射程数キロの対モンスター兵器になるのであれば、もっと大きな口径にしたら長距離型ロングバレルもできるのではと考えてしまう。それが開発できたら、第2世界の火砲を輸入する必要は無くなるかもしれない。それから、野戦砲や戦車の主砲、あるいは機関砲を魔道具化したらどうなるかっていう課題もあって、兵器メーカーは第1世界の魔道具士と共同研究をしたいと考えている」
すでに、そういう考え方をしていたのか。当たり前と言えば当たり前か。
「なるほどねぇ。砲身だけの輸入とかできないのだろうか」
「火砲の砲身は、基本的にメーカーがライセンスを持っているからな。日本でも造れるが、ライセンス生産するしかない。日本からの輸出は法的な問題もある。メーカー純正品は時間がかかる。だが、中古市場のものをかき集めることは可能だろう。ゲートは国境に関係無く繋ぐことができるからな。実は、少しラメヒー王国にもサンプルで既製品の砲身を入れているんだ。ただ、彼ら、どうも自分達で統一規格を大量生産したいようなんだよな。だから、今彼らは丸鋼を独自加工してロングバレルを造ろうと試みている」
ラメヒー王国は、彼らなりに考えがあるのだろう。重さや生産性を考慮しているとか。ただ、ロングバレル生産の話は、バルバロ平野の転移門出現前の話だ。これからは違ってくるかもしれない。
「ふむ。俺は軍事は素人だけどさ。案外効果的なのは、万単位の人間連れて来て魔術供給要員にすることだと思っていたりして。攻撃魔術の才能がある人が出てくれば、ヒューマンウェポンになって貰ってもいいし。でも、機関砲や野戦砲の輸入は良さそう。弾に限りがあるけど、魔力にも限りがあるわけだし」
結局、攻撃用の魔道具を大量生産しても、魔力総量とそれを備蓄できる魔道具が無いと、あまり意味が無いと思うのだ。そういう意味でも、火薬兵器は意味があるし、人数が物を言う魔力補給要員はいくらいてもいいはずだ。ラメヒー王国は農業国なのだし、多少人が増えても問題ないと思う。
「まあ、第2世界の人に献魔してもらうのはいいアイデアかもしれないな。一番手っ取り早く、平和的で、そして確実に戦力がアップする方法だ」
「しかし、科学と魔道のハイブリッド兵器か・・・各国が虎視眈々と狙っていそうだな」と、俺が呟く。
「そ。今軍需産業が喉から手が出るほど欲しいのは、魔道具士と魔力だ。だけど、こういったハイブリッド兵器は3月のスタンピードに間に合うかという問題があってな。開発に魔力も必要だろうし」と、高遠さんが言った。
「なるほどね。艦載機貸与の件は、イセに相談してみる。俺も、艦載機の数が増え出すと軽空母だけじゃ辛くなるから、浮遊空母が欲しいと思っていたし。空母2基体制の方が魔石ハントも
結局、今の俺の優先事項は魔石ハントだ。魔石があると、戦力が加速度的に増えていくから。
「お! 多比良さん、やる気になった? 兵器開発」と、高遠さんが嬉しそうに言った。
「あまり、物騒なことはしたくない。でも、今度浮遊空母の相談はさせて」
「了解」と言う高遠さんの顔は嬉しそうだ。
会社から突かれているんだろうなぁと想像してしまう。
「なあ、多比良さん、その浮遊空母が実用化されたとして、そのクルーはどうするんだ?」と前田さんが期待した目をして言った。
「ラメヒー王国への乗り入れを考えると、伝統6貴族家に相談すると思うけど、艦載機の運用は冒険者を雇うかな」
「いよっし! 期待して待ってるぜ。今は峠達だけだが、他にも優秀な奴らはいるし、空を飛びたいというヤツラも多いんだ」
「まあ、物騒な話は少し置いておいて、当面は、ラメヒー王国が鋼材や武器を購入する費用を稼ぐための異世界旅行の成功こそが、今私達が出来る最善策なのね」と、徳済さんが入って来た。
「そういうこと。後は、俺だったら魔石ハント。前田さんは冒険者育成して国の負担を減らす。高遠さんはロングバレル量産の支援。そして材料が決まったら、それの大量調達」
「じゃあ、現状どおり、目の前のことを頑張りましょ」
徳済さんが締める。
歩きながらだけど、なかなか重要な話合いが出来た。会議室で会議を行うより、こういう時の方が話が進んだりする。会議とは奥深い。
「じゃあ、俺は早速メイクイーン行きの手配を・・・ん?」
話を締めようとしたところで、道を走ってくるツインドリル。
あれはシスティーナか? その後ろには晶と加奈子ちゃん、それに我が息子の志郎とエリオット君がいる。
「お・じ・さ・あ~~~ん!」
走りながら手を振ってくる。こいつは本当に貴族令嬢なのだろうか。
「なんだ!? どうした?」
「私をメイクイーンまで、連れてって!」
飛びかかってくるシスティーナを寸前で避ける。
「きゃ! なんでよ! 何で避けるのよ」
何でって、お前・・・
「いや、お前いきなりどうしたんだ? 俺は仕事中なんだぞ?」
そう、俺はこれから魔石ハントの準備のため、物資の補給、クルー達の調整、冒険者ギルドに依頼を出して『輜重隊』と『出張料理人』を雇って、それから小田原さんや五星さんに旅行の話をして、軍区に行って ガイアの写真撮って、ディーの部屋にゲート創ってと大忙しなのだ。
「おじさんなら聞いてるでしょ? メイクイーンにまたモンスターの巣が出たのよ。実家の様子を見たいの!」
「あのなあ。お前は学生だろ? 勉強が仕事だ。それに今は輸送艦もあるだろ。帰るなら、それに乗ればいいだろ」
「何よ冷たいわね。私とあなたの仲でしょ! それに、輸送艦は高価だし、手前のバルバロまでしか行かないのよ」
「あのなぁ、俺はお前のあっしー君じゃないんだぞ? だいたい学校はどうするんだよ」
「学校はしばらく休校になったの。スタンピード関連の余波で。どの貴族も国からアホみたいな徴兵数を提示されてて。大変みたいなのよ」
徴兵か・・・まあ、そうなるよな。
「だが、お前は未成年だろう?」
「あのねぇ。私はメイクイーン男爵なの。歴とした貴族なの。私は軍役の義務があるの。だから、今回のスタンピード討伐戦にも出ることになるの」
なに? そうなのか? こいつは未成年だったけど前回のスタンピード討伐戦で活躍して、ご褒美に爵位を貰ったと聞いた。
だけど、軍人が足りないから未成年で徴兵とか、何という罰ゲーム。
いや、そう思うのは、俺が日本的な教育を受けたからなのかもしれない。システィーナの価値観としては、貴族が戦いに出るのは当然なんだろう。
ここは、未成年で戦争に赴く戦士に敬意を表するか。
「まあ、あっち方面には行く予定だから、魔石ハントの手伝いするならいいぞ」
「やったー!」
「あ、あの、ね。おじさん?」と、晶がおずおず出てきて言った。
晶はこの第1世界に1人で来ている。この子は、望めば両親とも再会できる。だが、両親を呼んだという話は聞かない。その辺、どう考えているのだろうか。
「どうしたんだ? お前達が転移門なんて見ても仕方が無いだろう」
「学校はしばらくお休み。休日と合わせるとそこそこの連休になってて、その・・・」
晶が上目遣いになっておねだりしてくる。おじさんキラーに育ちそうだなこの子。
「今回はメイクイーンで転移門を見た後は、そのまま川沿いに魔石ハントして、最後はマ国のハチマンまで行こうと思うんだけど、ツツどう思う?」
今、ハチマンには加藤さんの軽空母が行っている。魔王城に魔石を届けるついでに様子を見てみようと考えていた。
「我が国としては、ちゃんと入国手続きをしていただけるんなら、日本の方を拒否する理由はありません」と、ツツが言った。
「そっか。じゃあ、一緒に行くか」
「やったー!」「やったね。旅行行けるって」「楽しみ-」
おい。遊びじゃ無いんだぞ? というか後ろの加奈子ちゃんと志郎は何で喜んでいるんだ?
まあいっか、家族サービスだ。
少し話が逸れたが、三角重工には魔道飛行機の研究と浮遊空母プロジェクトを立ち上げて貰うことに。
そして、俺が艦載機と呼んでいる魔道飛行機の研究目的貸与については、俺がイセやマ国に根回しをしてみることになった。
さて、ひとまず、噂の巨大転移門見物に行くか。
後でオルティナと打ち合わせしなきゃ。
・・・・
<<軽空母>>
「と、いうわけで、バルバロ平野に行って転移門を見て、メイクイーンに行く。その後魔石ハントしながらマ国のハチマンまで行く」
軽空母の作戦室でオルティナと打ち合わせを行う。
「なるほど。分りましたわ。補給はメイクイーンで済ませればいいので、直ぐに出発できます。後は空路のログを確認して、冒険者ギルドに発注をかけて・・・ここの書類はコレでいいですか?」
オルティナは、書類をこちらに見せてきた。
「ああ、いいよこれで・・・ん?」
書類の後ろに、名刺サイズに折りたたまれた紙が挟まれている。ドキンと胸が高まる。これは、アレか。そうか。うん。なるほど。
「じゃあ、艦長。明日は朝一でこの書類を出して、空路はこれで行きましょう」
オルティナは全く表情を崩さず、仕事の話しかしなかった。
オルティナが去って、どきどきしながら、カードをめくる。そこには『部屋で待っています。お酒を飲みましょう』というメッセージが書かれていた。
・・・・
「オルティナ。飲みに来たぞ・・・なんだ?」
風呂上がり、お酒とコップを持ってオルティナの部屋にノックして入ると、マシュリーもいた。まあ、こいつらはほぼ一緒に住んでいるから不思議ではない。
ただ、マシュリーの格好がホットパンツにTシャツを着ていて、ベッドの上であぐらをかいているのだ。しかも、彼女もお風呂上がりなのか、いい匂いを立てて、髪をアップに束ねている。
マシュリーはゆるふわ巨乳だ。ついつい色んなところに目がいってしまう。だが、Tシャツは胸元が開いたヤツではないし、ブラもちゃんと付けている。これは健全な飲み会だろう。オルティナは制服のままだし。
ただ、オルティナもお風呂上がりっぽい匂いだ。お風呂あがりにわざわざ制服を着たのだろう。
「じゃあ、艦長、乾杯しましょ?」と、オルティナが頭を10度ほど傾けて言った。
ちょっとしたお疲れ様会が始まった。
・・・・
お酒を数杯飲んだところで、「では、艦長、お疲れでしょう。肩や背中をほぐして差し上げます。ベッドにうつ伏せで寝てください」と、オルティナがさも当然のごとく言った。
「ああ、済まないな」
今日は確かに少し疲れた。お言葉に甘えて、ベッドにうつ伏せになる。
「私は上から」とマシュリーが言って、俺の頭上付近に座り頭部や肩のマッサージを始めた。
「私は下からしますね」とオルティナが言って、足や殿部の肉を強めに体重をかけてほぐし始めた。
とても気持ちがいい。
・・・・
一通り、足から腰から背中から頭皮に至るまでほぐされる。
「じゃあ、上を向いてください」
言われるがままに上を向くと、マシュリーの双丘を下から見上げる形になる。
「顔の筋肉をほぐしますね。 私のフトモモに頭を乗せてください」
そういいながら、マシュリーは俺の頭を持ち上げて自分のフトモモに。そうすると、ほぼフトモモと下乳に頭が挟まれる。
それから、2人してせっせと体の前側や顔面の筋肉をほぐされていく。
ああ、気持ち良くて寝そう・・・
一瞬気を失いかけた瞬間、いつの間にか頭がフトモモから落ちて、顔の前にはマシュリーのホットパンが覆い被さっていた。
下腹部も真上も、どうなっているのか全く見えない。見えないが、お顔がマシュリーのハミ肉に挟まれているのは解った。むしゃぶりつきたくなるが、ぐっと我慢する。
そして、下の方では、ひたすら鼠径部のマッサージを・・・
理性が吹き飛びそうだ。
う、うぐ。だが、俺は、不倫は・・・いや、認めよう。もうとっくに、俺は・・・
ただ、
だがしかし、目の前のハミ肉の威力を前に、俺は・・・陥落寸前だ。
「触っていいんですよ?」と、マシュリーの声が聞こえた。
むしゃぶりついてからの、記憶が無い。
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