第3話 準備は完了!いざダンジョンへ!!

メイリンとマリエラという仲間を得たウーノは、とりあえず剣を手に入れるべく

激安の殿堂 ダン・キ・ボウケンという店へと向かった。


「ダンダンダン ダン・キ~ ダンキ ボウケン~♪」

店内に流れる軽快なBGM、とりあえず刃物を取り扱っている2階へと向かうのだった。


「さて、剣はどれを手に入れるべきか・・・」

財布の予算的には30金貨がベストだろう・・・しかし、30金貨相当の剣は


なんか薄っぺらいな・・・切れ味はなんかあるみたいだけど

剣に穴が空いていて耐久力がなさそうだな・・・


「その剣にするくらいならこれがいいんじゃないかしら?」


そう言うのはマリエラだった。

マリエラが勧めてきたのは50金貨の剣だった。

値段は少し張るが、それでも30の剣にくらべると、厚みもあり

それでいて刀身は短いものの振りやすさに関してはこの剣のがだいぶ良さそうだった。


「この剣はね、もともとは名刀とんぼ切りを造った鍛冶師の人が別ブランドとして立ち上げた会社の剣なのよ」

「へぇー、とんぼ切りの」

「そう、なるべく安く良いものを届けたいっていう思いからこのブランドを立ち上げたのよ、だからこの剣は実用性にかけては折り紙付きよ」


マリエラは随分と饒舌だった


「しかし、エルフにしては剣に詳しいね。エルフって弓とか魔術ばっかのイメージだったけど」

そういうとマリエラはハッとして、少し頬を赤らめながら


「えっと、その・・・こ、この前TVでやってたのよね、いろいろな企業を特集する番組で見た知識なんだけど」


なるほど、博識のエルフはテレ東テレビ東大陸とかのTVが好きだもんな


「ありがとう、じゃあこの剣にするよ。」

マリエラの勧めてくれた剣を取り、レジへと向かう。

ちょうどそこにメイリンもやってきた。


「見て、肉のハナマルで今日焼鳥のタレが安売りしてたわよ」


メイリンが持ってきたのはでっけーボトルに入った業務用の焼鳥のタレだった

これがあれば鶏肉につけて焼くだけでご飯がものすごく進む

とはいえ、今回の冒険に必要かと言われると疑問である。


「メイリン、俺スマホ無いから、ダンキの会員入ってるならポイント全部メイリンがつけていいよ」

「あら、悪いわね」


メイリンはウキウキでスマホのアプリを開くとダンキのクーポンやらを表示させて店員に見せる。


ダンキで剣と焼鳥のタレを買い、焼鳥のタレをカバンに詰め(袋は有料なのでマイバッグ)

剣は箱から出して、すぐに鞘へとしまい、柄にはダンキのシールを貼ってもらうことで

万引してないよとアピールしながら店を後にするのだった。



「さあこれよりダンジョン攻略RTAをするわけだが!メイリンくん!」

ウーノはメイリンにダンジョン攻略サイトを調べさせて、攻略ルートを導き出す。

「ウーノ隊長、検索結果が出ました。」

メイリンは検索結果を見せる。


『最短攻略は4日くらい』


「ノオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

ウーノは落胆した。

なんでだよ、なんで4日かかるんだよ、いや本来4日かかるダンジョンを3日で攻略しようとしてるんだから

本来は俺が悪い、悪いんだ・・・だけど


「あんまりだああああ・・・」

落胆するウーノの頭をメイリンはよしよしと撫でる


「ねえ?私のスマホでダンジョン攻略 3日 で検索したんだけどさ、こんなの出てきたよ」

マリエラは動画サイト、my tubeの動画を見せた


「どうもー!ダンジョン攻略系myチューバーのゼブリンでーす!!」

その動画はゼブリンというmyチューバーが今回攻略するダンジョンに来ている動画だった。


とりあえず動画を見ていると


「本来!これはーーーやってはいけないんですがーーー!」


なんと、その男は・・・


「な、なにいい!!そうか!この方法があったか!!」

ウーノは食い入るように画面を見つめる


だが、この方法には一つ問題があった

マリエラはいう

「ねえ、たしかにこれなら時間短縮にはなるかもだけど・・・この方法をするにはさあ」


「できるぞ!この方法はなら可能だ!俺たちはできる」

「そう、とてもむずかし・・・えっできるの!?」


「もちろんだとも、マリエラ、ここにいるメイリン様をどなたと心得る」

「えっ・・・友達だけど」


「ここにいる偉大なるカースソーサラーであるメイリン様ならこの方法は可能である!ですよねメイリン様??」

「・・・できます」

腰に手を置き、ヘッエンと胸を張るメイリン


「えっ!メイリン本当に?この人にノセられてない?大丈夫?」

「大丈夫、私はできる」


ダンジョン攻略を短縮する方法は分かった、だがもう一つ問題があった

「ねえ、でもこれって・・・もしバレたら・・・?」


「捕まるな、殺されはしないかもだが確実に逮捕される。」

「でしょ!やっぱり危ないわよ!」


「だが俺たちには一刻の猶予はない!メイリン、決めたぞ!おれはこのプランで行く!」

「わかった」

「ちょっとメイリン!」


「いいかマリエラ・・・バレなきゃ犯罪じゃない~おわかりかねぇ?」


こいつ本当に最低だなとマリエラは思った。

ではさっそく、我々一同はダンジョン攻略を目指すため、一路ダンジョンの入り口へと向かった。


「さて、これからダンジョンに潜るわけだが、みな装備は大丈夫か!」

「問題ない、薬草も買った、あと焼鳥のタレも」

「一応私は今日メイリンとダンジョンに潜る予定だったから私だけの分は大丈夫よ」


「俺も大丈夫だ!剣はここにある!!あっ、ダンキのシールはもういいや剥がそ・・・」


ふう・・・と一呼吸整え


「準備は完了!いざダンジョンへ!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る