第2話 いざ再びダンジョン攻略へ!集え仲間よ!

ダンジョンにスマホを落としたことに気づいたウーノであったが、一体どこに落としたのだろうか。


ウーノは記憶をたどる、たしかあれは・・・


「いえーい ダンジョン踏破なう!」

そう言ってスマホで自撮りをした覚えはある。そしてそれSNSにアップしたのも・・・


つ、つまり・・・スマホはダンジョンの最下層にある。

ダンジョンの最下層、そこは・・・。


古代の神殿がある水神を祀っていた遺跡群・・・。


「マジかあああああああ、あそこは行くだけでも1週間かかったぞ!」


ソロ攻略を果たしたウーノであったが、一応一人でも安全に進めるルートを選択した。

そのルートはダンジョン最下層にたどり着くまでに1週間かかるルートである。


「一週間だと・・・嘘だろおい、今から一週間かけてあそこまで戻るのか?」


ウーノは焦っていた、ウーノは楽しみにしていることがあったのだ

それは・・・


「今週の土曜日にグランドブルーオーダー神原のイベントがあるじゃねぇか・・・」


イベントが有る、スマホのゲームの、楽しみにしていたGBOGグランドブルーオーダーゴッドバラの最高の神イベントがあああ!


なんと今回は最高レアが確実に手に入る福袋ガチャ(闇鍋)も開催される。

しかもこのイベントには毎回人権性能の高レアキャラが追加される、そのキャラを使ってギルド団員のみんなとイベントを周回する。予定がある!!!


おいおいどうするんだよ!このままだと確実に間に合わない!


今が火曜日の昼過ぎだろ?今週の金曜日に公式生放送が来て、その公式生放送のあとにイベントが来るのは確定。

つまり、公式生放送は20時からの1時間だと仮定したら・・・

4日?いや実質3日だ・・・4日なんてかけてられない、スタードダッシュで出遅れる。


マズイ!!マズイ!!!


ダンジョンの最下層まで3日かけて戻るぞ!!

というかできるのか?俺にできるのか?まて、落ち着け、こういうときは、冷静に攻略サイトを見よう、ダンジョン最短ルートはどのくらいでクリアできるのか

スマホで調べて・・・。


「だからそのスマホをダンジョンに落としたんだろうがクソ馬鹿がよおおおおお!」


ああ、マジか・・・スマホがなければ何も出来ないなんて

いや、落ち着こう、こういう時は冷静になるため、自販機で甘いものでも買おう


とりあえず神殿内の自販機の前までは来た。


ええっと、とりあえずミルクココアを・・・支払いはスマホのタッチっで・・・


「だからそのスマホがダンジョンの最下層にあるんだから自販機で買い物はできねーんだよ!!」


そんなばかな・・・俺は自販機のジュースすら買えないのか・・・。


落胆するウーノであるが、そういえばさっきケツポケットに財布があったことを思い出した。


「大声出して損した・・・」

とりあえずミルクココアを買って、神殿内の飲食スペースに座り。

現状を確認することにした。


財布の中身はだいたい100金貨相当の紙幣

軍資金はこれだけか・・・これで装備を買い直し、急いでダンジョンに潜る。

潜るのは良いが、潜るルートだよな?

最短ルートは、ああ、クソ全然わからん。最短マジでどうすりゃいい?


そういえばダンジョンの地図とか売ってないかな?

でもなぁ地図とか読むの面倒なんだよな・・・スマホだったら見やすいルート自動で

案内してくれるのに、地図だとその都度立ち止まって確認するし・・・・。


今の俺に立ち止まるだけの時間はない!


とりあえあず神殿を出て、大通りへと向かう。

今回俺が潜ったダンジョンがあるこの街は、人口はよくわらかんが結構な数の人が住んでいる。

ダンジョンに潜る冒険者たちで賑わう、ダンジョン業が盛んな街だ。


大通りへと出ると、そこいらに大きな矢印看板があり、そこには『ダンジョン入り口この先300M』と書かれている。


とりあえず、ダンジョンの方向へと足を進める。

ダンジョンの方に近づけば、冒険に必要な装備が売ってる店が増えてくる


とりあえず剣は必要だ・・・剣は手に入れるべきだ。

それに今回はモンスターの討伐がメインじゃない、できる限り戦闘は避ける

なので必要なのは最低限の切れ味と耐久力。


大きいものよりかは、なるべく小さい方がいいかもしれないな、移動の邪魔になる。

となると、問題は値段だ・・・一番格安のものを揃えたいところだが。

そうなると耐久性が問題になる、しかし値段をかけすぎるとそのあとの装備が

ガガガガガガ


ぶつくさ言いながらあれこれ考え歩いていたが、気がつけば、ダンジョンの入口付近まで近づいてしまった。


ダンジョンの入口にはデカデカと「ようこそダンジョンへ!セーブはお忘れなく!」と書かれている。


入り口は大勢の冒険者が行き来していた。

どうしたものか、と呆けていると、後ろから声をかけられた


「あら、ウーノじゃない?おめでとうダンジョンソロ攻略」

その声を聞き振り返るとそこには。


大きな魔女の帽子に比例して小柄の体躯、持つ杖は一般的な大きさの杖だが

彼女の体と比べれば大きく見えてしまう。

彼女の名はメイリン、物静かな雰囲気と落ち着いた喋り方

彼女は呪術を極めた呪術師カースソーサラーなのである。


「メイリン!!久しぶりだな! えっ、ていうかなんで知ってんの俺がソロ攻略したこと?」

「なぜって・・・あなた自分でSNSに投稿してたじゃないの?ほら」


そういってメイリンはスマホを取り出し画面を見せた

そこにはウーノのアカウントと呟きが乗っていた


「いいね押しておいたわよ」

「メイリン!!ありがとう!!そして頼みがあるうううう!」


あまりの気迫に気圧されるメイリン

「ど、どうしたの?一体・・・」

「実はな・・・」


ウーノはここまでの経緯を説明した。


「ダンジョンの最下層にスマホを落としてきた!?」

「そうなんだ、メイリン!だから頼む!俺と一緒にダンジョンに潜ってくれ!!」


このまま一人でダンジョンに潜り3日ですべてを終わらせるのは不可能だろう。

だからここは彼女をパーティーに誘い、彼女の力とスマホを借りればダンジョン攻略も楽になること間違いなし。


「たのむメイリン、俺には君が必要なんだ」

「なっ、なんで急にそんなこと」


ウーノはメイリンの手を握り今にも泣き出しそうな目でメイリンを見つめる

「うっ、わ、わかったわよ・・・まあそこまでいうなら」


たじろぎながらもウーノの要請に応じる。

「じゃあ早速だけど俺の装備を整えるため・・・」

「あのー・・・」


ウーノとメイリンが喋っているところを、先程から側で見ていたエルフが居た。

「私は、お邪魔かしら?あ、あははは・・・」

「あら、ごめんなさい。ウーノ、紹介し忘れてたわ、この娘は・・・」


彼女の名はマリエラ、金髪のエルフで魔術を習いたての駆け出しのエルフだそうで、メイリンとはSNSで知り合ったそうだ。 

彼女もまた木で出来た魔術師の杖を持つ普通のエルフの魔術師だった。


「はじめまして、マリエラです。」

「ああ、どうも・・・」


見た感じ背は高いように感じるが、単純にメイリンが小さいという気もする。

とはいえ身長はエルフの女としては高い方でもあるな。

自分の身長が176くらいなのに対して、彼女の身長もそのくらいだろうか?


「ねえウーノ、よかったら彼女も同行させてもいいかしら?」

「えっ、いいのか!?」

マリエラの方を見ると、一瞬驚いた顔をするが


「ま、まだ駆け出しの魔術師だけど、私なんかが行っても大丈夫かしら?」

マリエラは少しハニカミながら頬を掻きながらウーノに目線を送った

「もちろんだ!三人パーティーなら確実に最下層に行ける、よろしく頼むマリエラ」


「えへへ、よろしくねウーノ」


「よし、これで仲間は揃った!ではこれより、ダンジョン攻略を開始する!!!」


勢いよく叫ぶウーノしかし、メイリンは言った

「あら?剣とか揃えなくていいの?」


うっ、仰るとおりでございます。

とりあえず、ダンジョンの入口近くのお店で装備を整えることにしよう。

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