【第一章完結】ダンジョンの最下層にスマホを落としてしまった!
バビーラ
第一章
第1話 ダンジョンの最下層にスマホを落としちゃった!
「あああああ疲れたああああああ」
転送呪文の巻物で帰還の神殿へと帰ってきたのは
冒険者ウーノであった。
装備はボロボロ、剣も柄だけは残ったが刀は折れてどこかに落としてしまった。
だが、そんなことはどうでもいい、なぜなら・・・
「ダンジョンソロ攻略成功!!!」
いえーい!とはしゃぐウーノ
そんなウーノのはしゃぎっぷりに神殿内にいた商人が近づいてくる。
「お疲れさまです、ウーノ様」
「やあ、商人さん~」
上機嫌で語りかけるウーノ、自分がダンジョン攻略をしたことを、早速ひとに話したいと思っていた。
しかし、商人は直ぐにウーノの鞄を預かりますよと手を差し出した。
「おお、やはり最下層付近のダンジョン攻略をされたようで、かなりいい戦利品を手に入れましたな」
商人はウーノの鞄 手に入れた物を一時的に小さくして鞄に詰めることができるマジックアイテム(コンビニで書籍コーナーの前においてあった奴)の中身を確認する。
「では、これらの戦利品はいつも通り私共が買取いたしましょう」
「ええ、お願いします。」
鞄の中には竜の心臓 竜の爪 竜のアギト などダンジョンの下層でしか狩ることの出来ないモンスターの素材やらが詰まっていた。
商人は買い取るものを1個ずつウーノに確認を取りながらカバンから取り出す。
「ざっと計算しましたが、占めて36000金貨相当になりますが」
「うーん、まあそんなもんか、一人で潜るとなると持って帰れる量的にそのぐらいか」
36000の金貨が多いのか少ないのかで言えば多い方ではある
とはいえ、せっかく一人でダンジョンに潜るのだから仲間と潜るよりかは持って帰れる量は少ない。
とはいえ仲間と分けると取り分的にはこれより少なくなるので、まあ妥当ではある。
「了解しました、では振り込みはいつもどおりレインPayで」
「かしこまりました。」
現金での報酬の受け取りは流石にかさばる。それにここの商会はレインPayでのやり取りを選択すると。
別途ポイントが貰えるので、ここでの支払いはレインPayがお得である。
「それでは振り込みいたしますね」
商人はタブレットを取り出し、操作をするとウーノにサインを求めた。
「では最後にこちらのタブレットにサインをお願いします」
「はい」
なれた手付きでウーノはタブレットにサインをする。
「これにて買取手続きは終了です。ありがとうございました。」
はーーーコレにて俺の冒険は一区切りがついた。
男たるもの一度くらいダンジョンをソロ攻略してみたかった。
よくあるでしょ、原付バイクで国を一周するとか、なんか若さに任せてチャレンジしたくなる時期が。
その熱い気持ちが溢れて俺はつい行動してしまった。
まあ、いろいろな攻略サイトとか参考にして初心者でもソロ攻略がしやすい奴を吟味したが。
「さーてと、最後は写真とってSNSにアップするぞー。ここまでの冒険の記録をまとめて動画サイトにでも上げるかなー」
色々と冒険の記録や思い出は写真や動画にとってスマホに保存してある。
その都度その都度ダンジョンからSNSにつぶやいたり投稿したりしているが、それでも今現在の最新の状態をSNSに上げて、いいねを貰いたいものである。
「さて、さっそく写真をー・・・」
はて?ズボンのポケットに手を入れてみたものの何も入ってない。
正確にはケツの方のポケットには財布があるくらいだ。
あれ?スマホどこしまったっけ?
今度は胸ポケットを・・・と思ったが、今着ているのは鉄のプレートメイル
プレートメイルの外側には収納できる場所はない。
あれ鞄の中かな?
マジック鞄のなかを見るが中は空である。
もしかして素材と一緒に買い取られた!?
「ちょっ、ちょっと、商人さーん!」
すぐさまウーノは商人を追いかける
商人はどうしたのかとウーノに聞く。
「あ、あの、もしかして俺のスマホ、間違って買い取られてないですか?」
「えっ?スマホですか?」
商人はウーノから買い取った物を移動させたカバンの中を確認するが。
「いえ、スマホなどは入ってないですね・・・それに買取の際に一応、何を買い取ったのかの確認を一緒にされてますよね?」
「ああ、そっか・・・いつもそうだもんなぁ」
「それは、これで・・・」
商人はその場をあとにする。
なおのこと、スマホはどこにあるんだろうか?
もう一度ズボンをまさぐり、カバンの中身をチェックする
インベントリには何もない
まて、落ち着け、こ、これは、まさかとは思うが
ウーノは大きく深呼吸をして。
「スマホをダンジョンに落としちゃったああああああああああああああああああああ!」
この物語は、スマホをダンジョンに落としてしまった男の
落としたスマホを取り戻すための最短ダンジョン攻略譚である。
――――――
1章は完結済みです。
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