第43話
広大な公園の中で私と林檎は、長い耳のような
どうせ登場するなら捕獲したいマルコシアスが来てくれればいいのだが、そうは
少し前にいた藍色の
しかし巨大な鴉の悪魔は
「林檎、どうするんだ? マルコシアスがいないぞ?」
「悪魔ならどれでもいいよ。交渉する材料があればいい」
林檎さん考え方がエグいんですけど。
どう見てもさっきの鴉の悪魔より凄そうな美男子の悪魔が空中から私たちを見下ろしている。
え!? あいつを生きたまんまで捕まえるのか!?
それは無理難題じゃないか!?
背に蒼い六枚の
『はじめましてボクはセーレです。さっきの
ソロモン王が今回、ボクらに依頼したのは戦いではありません。ソロモン王は一度捨てた我が子を今になって魔界に連れ戻そうとお考えです。
正直に申し上げてお二人のどちらがソロモン王のご
なん……だと!?
私は開いた口が
魔界で何をさせる気なのか。いやどんな理由があったとしてもここは断固拒否だ!
「断る!!! 都合のいい
『では交渉決裂ですね。ああ、そうだ。こちらはお返ししますね』
何もないように見えた空間は
そうだ。そのレイピアは私が藍色の
レイピアは宙をまるで歩くような速度で私の前へとやってきた。
私はセーレとレイピアを交互に見る。セーレはにこりと笑う。
レイピアに罠があるのか。レイピアは本当に私のものだろうか。五秒間私は考えていた。
私は悩みながらやや頭上に浮かぶレイピアへと手を伸ばす……
――――がしゃんっっ
私が触れるほんの三秒前にレイピアは
私のやや後方にいた林檎の左手の人差し指から冷気の矢が放たれたのだ。
私は
林檎からレイピアへと視線を戻すとそこにいたのは
林檎の魔力で
『お見事。素晴らしい素質ですね。彼よりも彼女の方が
暗い空大雨が降る中で紫色の肌をしたセーレは拍手をする。まるで
僅かな時間、五芒星の悪魔から意識が
セーレの台詞が終わらぬうちに突如として私の目の前の空間が歪む。
私はそいつを無視して、林檎へと攻撃を
雷龍はセーレに巻き付き身動きを
セーレの顔から笑顔が消えた。
その間一秒とかからず。私に
無論避けた。まるでここが海の中のように空間と空間を泳ぎながら
私はセーレを探す。視界の
セーレは私の雷龍を
私はそれに
これでセーレが感電してくれればいいが。
私は自分の戦いに集中せずに林檎のことばかりを考えていた。
鮫の悪魔から意識が離れた
私は慌てて目の前の悪魔へと集中する! 鮫が人形に
捕獲するのはセーレだけでいい。仕方ない。林檎を信じよう。
私は
私は鮫男を
そうだ。こいつは消し去っていいのだ。簡単じゃないか。
私は腹の中に
*
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