第22話
「どピンクとか、特大! とかじゃないし。小さいアフロなんて、かまってちゃんの地味メンのすることよ」
「高梨葵! 君だって地毛はパーマぢゃないだろおお! しかも白髪だっただろおおお!」
私は高梨葵の後方で、屋上のドアの横の壁に持たれている林檎をちらちらと見る。林檎は見るからに不機嫌全開だ。
紫色のオーラが視える! 何故に!? 敵でもいるのか!!?
私は高梨葵を無視して、周囲のエネルギーの流れや、違和感がないか調べる。『心の眼』で怪しいものがいないか、探知する。
辺りを警戒してみたが、なにもいなかった。普段と変わらぬようだ。
敵じゃない。それなら、なんで林檎は殺気立っている?
うぬぬ。
ん〜。
ん?
もしかして、私が知らないだけで、アフロは
もしかして! 今から林檎さんのサラサラヘアーが、アフロになってしまうのか!!?
私が高梨葵の傍にいることで、第二の被害者が生まれることを
みんな! 私のせいで、アフロ星人になるのか!?
――――いや、待て待て。待てえええい!!!
そ、そんなわけ、あるかああああ!!!
「なんで知ってるん!? まさか! あんたウチに気があるん!?」
「違うわあああああ!!! 全くもって興味ないわ! 小学校が同じだったんだ!」
高梨葵のせいだ! いや、待て。他人のせいにしたところで、どうしょうもない。
恐い!!! とてつもなく林檎さんが恐いが、ここは潔く、林檎さんに理由を聞くか?
高梨葵は、林檎のお怒りがわからないのか!? こんな話をしている場合ぢゃない!
おっと! 私の目の前に高梨葵がいた。近いぞ。これか? 林檎さんが怒っている原因は?
私は後に大きくジャンプする。高梨葵との距離が二メートル開く。私は林檎を見る。林檎さんから、紫色のオーラが消えていく。
――――はえええ!!? 林檎、もしかして、私のこと、友人として、かなり好きなのか!!?
いや、まて。まてまてえい!!!
テッテン、テテン。テッテン、テテン。チャラ〜ラ〜ラ〜ラ〜ラ〜ラ・ラララ〜
都合よく考えてはいかんぞ。私の祖父に好意を寄せていた林檎だ。イケおじフェチなんだ。
頭の中で○畑任三郎の曲が流れる。私は眉間に皺を寄せる。右手の人差し指で、自分の眉間をつんつんとする。
ん〜〜~。二、三、お聞きしたいんですけど〜?
林檎さんは、もしかして、百合じゃないんですか? そうだった場合、林檎さんが高梨葵さんを好きということになりますよね?
ということは、つまり、林檎さんが怒っている理由は、私がいることですか。
ピンポン!!! 閃いた!!?
早急に、林檎さんのご機嫌を取らなくては!!!
高梨葵から離れた! 次はどうする!?
「ええ〜!? それ嫌やな。ウチの白髪、バラすの止めて〜! 派手に生きる!!! って決めたの!」
「中身は小学生のままのちんちくりんじゃないか。身の丈に合った生き方をしなさい。その方が、武本星矢と上手くいくと思うぞ」
は! しまった! ちんちくりんとか、高梨葵の悪口を吐いてしまった!
林檎からまた紫色のオーラが! ……出てない!?
あれれえ? 推理を間違えたかなあ〜?
「メンズのくせに一人称が『私』とかキショいんだよ! あ! 林檎ちゃんの『僕』はみんな好きー! あざといガールの『ボク』は、ウチは無しだわ。『ボクっ
「林檎さん、なんか怒ってないか?」
「林檎ちゃん、どうしたの? まさか!!! アフロが好きとか? モチモチ
「アホかああああ!!! 林檎さんはお
「は? しち?
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