SS バレンタイン大作戦!①

 ※これはSSです。本編ではありません。

 また二人は付き合う前という設定でよろしくおねがいします!

 それではどうぞ!

  ◯△□

「すずー?明日なんの日かわかってる?」

「ん?明日だよね?今日がえーっと、2月の…」 


 夏奈と遊びに来ていて、今はパンケーキ専門店に入っている鈴音は自分のスマホのロック画面を表示させながら間延びした声で答える。


 が、


 次の瞬間、スマホを手からポロッと落としながら無機質な声を出した。

「13……、ってことは明日は14だから」

「え、その反応まさか…」



「バレンタイン……」


 それを言ったっきり何も言わなくなる鈴音。


 いきなり何も言わなくなって不審に思った夏奈は声をかける。

「もしかして、忘れてたの?」



 その声を聞いて、よろよろと顔をあげる鈴音。

 その顔は涙で濡れていた。


「どおしよおー!まだまだ先だと思ってたよぉー」

「ちょっとすず⁉いきなりこんなところで泣き出さないでくれない?」

 ふと夏奈が周りを見ると周りにいた客の視線を集めていたのがわかった。


 こちらを見ている人たちにペコペコ頭を下げながら、鈴音に優しく声をかける。

「まだ作ってないんだよね?でも今から作ればいいじゃん?ほら私も一緒に作るから!ね?」


 精一杯、鈴音をなだめようと優しく声をかける。


 しかし、そんな夏奈に自分のスマホの画面をおずおずと差し出してくる。


 何かと思って、その画面を覗き込むと、そこに書かれていたのは


『愛する人には手間ひまかけて!計27時間かかるけど、とっても美味しいチョコレートケーキ!』


「…これ、作ろうとしてたの?」


 恐る恐る声をかけるとロボットのように、カクカクとうなずく鈴音。


 夏奈は今の時刻を確認する。

 16:30


 どう考えても、明日までに間に合わない。


「これはプラン変更するしかないかもね…」

 小さな声で夏奈がこう言うと、鈴音はガックリと肩を落とした。

          ◇◇◇

「うぅ…塩辛い」

「とりあえず涙拭きな。」

「ありがと」

「ん」

 パンケーキを食べながらも肩を揺らしていた鈴音が甘いはずのパンケーキとは真逆の感想を漏らしたところで、夏奈がタオルを差し出す。それを受け取り、鈴音は自分の目元に持っていった。


 そうしているうちに落ち着いてきた鈴音は一つため息をすると、夏奈に向き直った。

「ごめん……もう大丈夫。ありがとう。」

「オッケー。じゃ、食べながら、作戦会議しようか。」

「うん、ありがと…」

「もう!後ろを振り向いてもしょうがないでしょ?暗い顔しないの。ということで、今から作戦会議を始めます!名付けて……『バレンタイン大作戦』!」

「……」

「ちょ、そんな顔しないで⁉安直だったのは認めるから!ね?」

 おどけた顔をして鈴音に話しかけた結果、鈴音に白い目で見られた夏奈は焦った顔をする。

 しかし、そんな様子をみた鈴音はくすっと、笑みをこぼした。

「鈴音?」

「ふふっ!気使ってもらってごめんね?ありがとう」

「いえいえ」


 昔からお互いを知る関係。

 気を使ってもらっていることもわかるし、それが相手にバレていないとも思っていない二人だからこそ成立する会話をしながら、バレンタインについて話し合い始めた。



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 残りは今日中に出せたら出します!

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