第77話 昼食

「なにか食べたいものある?」

 気まずい雰囲気の中、耐えきれなくなった俺はとりあえずすずに声をかけた。


 が、しかし、すずは何も答えない。というか何も耳に入っていない感じだ。


「健太くんが……、私の胸を……揉みしだいてぇぇ」

「すず⁉俺に揉んではないよね⁉」


 若干すずの記憶が改ざんされているので焦ってツッコむ。

 俺、別に揉んだりはしてない、、、よね?

 頭が真っ白になっていたので、記憶が曖昧だが、きっと揉んでいないだろう。


 そうこう考えていると、すずが恥ずかしそうに

「健太くんその、、、恥ずかしいから感触は忘れてほしいです…」

「も、もちろん」


 といった。

 俺としても、今俺の手に残っている感触を忘れないと色々とまずいので忘れられるものなら忘れたい。


 そう考えていると、すずがさっきよりもさらに赤くなった顔でポツリと言う。

「やっぱり忘れなくていいよ、、、?」

「え⁉なんで⁉」

「だって忘れられるのもなんか寂しい感じがするし、、、女性として見られていないって感じがして釈然としないから、、、」

「……」

「だから無理に忘れなくてもいいよ。その記憶を変なことに使わないなら、だけど。」

「、、、もちろんです」

「ならよし!」


 といっても忘れるしかないんだろうな。すずが言っている『変なこと』っていうのがなにかはわからないけど、俺の思い当たることに使うなっていうことなら絶対に無理だろう。


「よし!いつまでも気にしててもしょうがないから次行こっか。昼ごはん食べよ!」

「わかった」


 すずももう切り替えたのか、お腹すいたねーと笑いかけてくる。

 そんなすずにほほえみ返しながらおれも立ち上がる。


 とりあえず一回忘れて、文化祭をまだまだ楽しむぞ!

                  ◇◇◇

「おまたせしました!鶏肉のてりやき丼です」

「ありがとうございます!」

「………」

 おおおおおおい‼鈴音さん⁉

 いまそれを頼むのはどうなんですかね?絶対わざとだよね?


「どうしたの?顔が真っ赤だけど?もしかしてナニか思い出しちゃったのかなぁ?」

 ニヤニヤしながらすずが聞いてくる。

 ただ、そのすずも顔がほんのり赤くなっていて、無理していることがわかる。

 無論俺にそれを指摘する余裕はないので、

「うるさい」

 そうやって一言返すのがやっとだった。


 ―――ちなみに、二人揃って顔を赤くして食べた料理は普通に美味しかった。

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 毎日投稿なんて無理してするもんじゃないわ。

 ちょっとしんどかった笑


 てことで今まで通りの頻度になります‼

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