第70話 感謝感謝

「何から何まで申し訳ないね、、、」

「いえいえ!僕が好きでやったことなので気になさらないでください!」


 激動の一日が明けた次の日。

 俺は孝則さんにレストランに連れてきてもらっていた。


 理由はもちろん昨日ニュースになった、犯人逮捕のニュースだ。

 孝則さんは今日の朝の新聞で知ったらしく、俺が学校から帰ると、家の前に見たことのある高級そうな車が止まっていた。


 その後は、あれよあれよという間に連れてこられていたという感じだ。

「そう言ってくれるのはありがたいが、、、君たちが闘っていた間に私は何も知らずにペンギンズの優勝の余韻に浸っていたんだよね」

 ん?ということはもしかしなくても⁉

「えっ!孝則さんもペンギンズのファンなんですか?」

「そうだが、もしかして君も?」

「そうです‼なんなら昨日現地で観戦してました!」

「おお‼昨日はとてもドラマチックだったよね!」

「はい‼球場の盛り上がり方も最高でした!」

「おー!うらやましいな!僕もペンギンズの胴上げを見てみたかったよ‼」

「ハハハ」


 ごめんなさい孝則さん。僕も胴上げは見ていないんです。

 そう言いたかったが、それを言うとまた孝則さんに謝られそうだったので、ごまかし笑いをすることにした。


 ただ弁護士相手には表面的なごまかし笑いは効かなかったらしく、


「もしかして、、、犯人を捕まえるために胴上げ見られなかったのか?」

「まあ、はい。そうです、でも気にしなくても、、、」

「気にするよ‼ 次ペンギンズがいつ優勝できるかわからないだろう?」

「まあ、、、」

 ペンギンズは20年近く優勝していなかった、超弱小チームだ。次いつ優勝が見れるかはわからない。

 孝則さんはその事実を念頭に置いて話しているのだろうし、俺もそれはわかっている。


 それでも、

「まあ今は胴上げを見るよりもすずの恐怖心を取り除きたいと思ったので後悔はしていません。だから本当にお気になさらないでください」


 そう言葉をかけると、孝則さんは申し訳なさそうな顔をしながらもそれ以上はそのことに関して何も言わなかった。



「鈴音と結婚するときは僕の許可はいらないから。」

「え⁉」

「もう僕はこの場で君に鈴音と結婚する許可を与えるよ。だから、もし君たちが結婚したいと思ったなら、僕にわざわざ挨拶しに来なくてもいいからね」

「ちょっと⁉まだ付き合ってもいないんですよ⁉」

「まあまあ。半分は冗談だよ。半分はね」

「からかわないでくださいよ!」

「本気だよ?」

「もう!」

 結局その後はそんな感じのゆるい雑談をしながら、運ばれてきた料理を食べたのだった―――

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 第70話読んでいただいてありがとうございました。

 ハートをくれたら励みになるのでよろしくおねがいします!


 ホークスはクライマックスステージで負けてしまいました。

 ホークスの皆さん一年間お疲れさまでした!


 次回は21日(金)の12:00に更新予定です!

20日11:30追記 もともと木曜日の予定だったんですけど忘れてました、、、

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