第66話 優勝へ

 学校に来て、昨日の試合の振り返りをした後、俺らは屋上に集まっていた。


「、、、俺らの試合もかなりヒリヒリするものやったけど、プロ野球もえぐいよなぁ」


 おもむろにそう話したのは裕太。

 その後に自分のスマホに目を落としながら、貴司が続いた。


「昨日は初回のソロホームランを守り抜いての勝利だったよね。よくピッチャーも抑えたよ」


 俺も貴司のスマホの画面を覗き込む。


 そこには一番上にM1と書かれていた―――


 俺達四人が好きな球団で、俺らが仲良くなるきっかけとも言える『関西ペンギンズ』。


 長年優勝から遠ざかってきたが、昔から『リーグ屈指の負け犬軍団』とネットニュースでは表現されて、他球団ファンからはその下手くそなプレーを指して『ペンギンズ新喜劇』と揶揄されるほど弱かったのだが、不思議と嫌いになれない感じ―――みたいなものを『関西ペンギンズ』は持っていた。


 しかし今シーズンはシーズン後半に勝ち星を伸ばして、シーズン終了まで三試合を残してM1、つまりあと関西ペンギンズが1試合勝てばリーグ優勝が決まるようになっていた。


 そして今まで弱さまでも受け入れてきたファンからは、期待する声が多く上がっていて、関西圏の今日の朝のニュースも、そのことで持ちきりになっていた。


「俺も今日現地行きたかったなぁ」

 そう俺がつぶやくと、翔太が事もなげに言ってくる。


「ああ、そや。今日のチケット父さんが確保しとるらしいのやけど行く?」

「「「まじで!」」」


 あ、今日映画行きたいんやけど行く?みたいなノリで言われて困惑しながらも興奮を抑えられない男子高校生三人組俺と裕太と貴司


「なんで持ってるんだよ、、、」


 ようやく落ち着きを取り戻した俺は、翔太に尋ねる。

 ちなみに他の二人は未だ放心状態にある。


「あれ?言ってへんかったっけ?俺の父さんって球場関係の仕事しとるねんなあ」

「あーそういうことね。でも社員だからってそんなことできるの?」

「いや俺の父さんチケット販売部門の部長やねん。」

「お、おう」

「でどうする?4人分はあるけど?行く?」

「お願いします!」


 こうして、急遽優勝が決まるかもしれない試合に見に行けることになった。

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 がんばれ関西ペンギンズ!日本一へ!!



(ちなみに作者は福岡ソフトバンクホークスの大ファンです!そしてホークスも今日の試合前の時点でM2なのです!頑張れホークス!)


次回は火曜日の19:00に投稿予定です。 




 星が200超えました!

 小説を書くことや恋愛に関して右も左も分からない中で始めてここまで評価していただけるっていうことがとても嬉しいです。

 あとどれくらい続けることになるかわかりませんが、完結するまでよろしくおねがいします!

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