第57話 本音のぶつけ合い
「えーっと、とりあえず弁当食べよっか?」
「う、うん!そうだね!あははー、、、」
「・・・・・」
「・・・・・」
気まずいッ!気まずすぎるッ!!
俺たちが日頃、以前のように話せないのを見て森山さんが気を使ってくれたんだろうけど流石に強引すぎるだろ!と心の中で森山さんに向かって叫ぶ。
確かに以前のように話すことはできていないかもしれないけど、少しずつコミュニケーションが取れるようになってきたところだったのだ。
―――とりあえずなにか話さないと―――
そう思い、俺はすずに笑いかける。
「急にこまっちゃうな!別に全然話してないわけじゃんないんだからこんな事しなくてよかったのにね」
するとすずは、「ね」と言いながら愛想笑いを浮かべる。
そしてその後、歯切れ悪そうに
「健太くんは私のこと振ったのに、なんでそんなに優しくしてくれるの?私と気まずくなるのを防ぐため?」
「っ!」
「自分の中で納得したつもりだったんだけどわからなくなっちゃった。もし私と気まずくなるのを防ぐために私に優しくしてるなら、、、もう私のこと放っててほしいんだよね」
強気な態度ですずは言い切った。
でも本心からの言葉ではないということはすぐに分かった。
なぜなら、すずの声は震えていたから――
自分で態度は隠せても、本心はわずかに隠しきれなかった感じだ。
そしてそんなことは、すずのことを愛おしく思っている俺には丸わかりだった。
だからそんなすずに向かって俺はかけるべき言葉をかける。
「すず、それは違う。すずと気まずくなるのは確かに嫌だけど、すず渡航して話しているのはそれが理由じゃないんだ。今はその理由は言えないけど、、、でも待っていてほしいんだ。必ずすずが望む世界線にするって誓うから!」
俺はダメダメだ。自分のした行動によって他の人に気を使わせて。
今も優しく諭すように言おうとしたのに、結局語気が強くなってしまった。
でも。
それを後悔せずに前を向くことを皆に教わったから。
すずに対して自分なりに笑いかけた。
その心が通じたのかわからないけどすずは、
「うん。ありがとう。健太くんのこと信じるね。」
変なこと言ってごめんね。そう言って恥ずかしそうに俯くすずに俺は気にすんなと声をかけて、そのあとは何事もなかったかのように、二人で屋上でのランチを楽しんだ。
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話が進んでいくたびに二人の間の溝がなくなっていきます。
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