第56話 波乱の昼休み

 昼休み。


 いつも通りに俺、裕太、翔太、そして貴司の四人で一緒にお弁当を食べようと、貴司の机に向かおうとすると、森山さんが俺のところにやってきて小声で囁いた.



「今日私達と一緒に昼ごはん食べない?」

「私達っていうのは、、、森山さんとすずのこと?」

「そうそう。って言ってもまだすずには言ってないんだけどね。」


 そうしてぺろっと舌を出してくる森山さん。

 なかなかあざとい行動だが、本人は自覚しているのだろうか。


「大丈夫なの?」

「まあ、嫌がりはしないでしょ。」


 そう思いながら懸念されることを聞くと、森山さんは気軽に返事をする。

 そう言われると断るような理由がなくなる。

 ちらっと、裕太と翔太、そして貴司の方を見ると、三人とも俺の方を見てうなずいてきた。


 行って来い、ということだろうか?


 そんな俺を横目に「それじゃ、行こっか」と一言だけ言って、教室から出ていってしまう。

 戸惑いながらも、俺は森山さんの背中を追いかけた。

                  ◇◇◇

「すずおまたせー」

「ううん。全然待って、、、ってなんで健太くんがここにいるの⁉」

 俺らが弁当を持って向かった先は屋上だった。

 そこにいたすずはにこやかに森山さんを迎えていたが、俺がいるのに気づいた瞬間驚いたのか固まってしまった。


「私が誘ったんだー!最近二人が前みたいに話してるところをみないからさ。話す機会も必要かなーって」

「なっ!」

「森山さん!それは、、、」

 触れては駄目なやつだろ!

 そう抗議しようとすると、澄ました顔で森山さんは続ける。

「なあに?ふたりとも気まずくて前みたいに話せてないだけなんでしょ。じゃあきっかけがないとだめなんじゃないの?」


「「、、、、、、、、、、」」

 その通りなのかもしれない。

 というかそれがあっているのか間違っているのかがわからない。


 そう考えて黙っていると、「じゃ私は戻るから。バイバーイ」と森山さんが屋上から出ていこうとする。

「ちょっとどこ行くんだよ!」

 驚いて少し口調が荒くなってしまう。


 それでも森山さんには全く応えた様子がなく、


「あとはお若いお二人さんでごゆっくりー」

 と冗談めかして言って、どこかに行ってしまった。


 そして屋上には俺とすずの二人だけが残ってしまった。


 


 この気まずい状況をどう打開しようか。

 そのことに俺は頭をフル回転させた。


 ________________________________________________________________________________________

 非常に気まずい状況、、、でもこれを超えれば青春のにおい?



皆さん森山さんみたいな女子がいたらどうですか?コメントで教えてくれたら嬉しいです!

 フォローお願いします!

 あと星とハートもいただけたら嬉しいです!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る