第55話 文化祭のクラスパート決め②
「それでは次に、どの時間帯にパートに入るのかということを決めていこうと思います。」
場が静まったところで、クラス委員の人が続ける。
城北高校の文化祭は二日間開催される。
一日目にパートに入った人は二日目自由に使えるし、その逆もまた然りだ。
ただ、文化祭二日目の終わりに行われるキャンプファイヤーをゆっくり見たいからという理由で、若干一日目のパートに入りたいという人が多かったりする。
かくいう俺もキャンプファイヤーにはかなり興味があったので、一日目のパートに入りたいと思っていた。
しかし半分ずつに別れないと、出店のクオリティーに関わってきてしまうので毎年各クラス、何人かは希望した日にパートで入れなくらしい。
希望通りになったらいいなー。
そう思いつつ「どちらの日付がいいですか?」と書かれたアンケート用紙に一日目と記入した。
◇◇◇
「なんで私が外れるのよ−!」
今俺は非常に気まずい思いをしている。
この理由を説明するためには5分前に遡る。
アンケートの結果、一日目を希望した人が二日目を希望した人よりも2人多かったのだ。
これによって1人がくじの結果で二日目のパートになることになった。
(その一人にだけはなりたくない!神様頼む‼)
そう考えながらくじである割り箸を、箱の中から引くと―――なんの色もついていなかった。
つまり僕は一日目になったのだ。
自分の希望通りになって、ニコニコして席に戻っていると、前から少ししょげたような声が聞こえてきた。
「私が二日目、、、嘘でしょー、、、」
ふと前を見ると、よく見知った顔がうなだれていた。
すずである。
よほど悔しかったのか、すずは目にうっすら涙を浮かべて天を仰いでいた。
しかしその結果クラスの皆が、いつもに人気者ムーブを崩しているすずに対して
「私(僕)が変わろうか?」
と一斉に聞き始めた。
その結果すずはあわあわしながら「だ、大丈夫だよ!みんなありがとうね!」とニコニコし始めていて、そんなふうに一瞬で人気者ムーブを取り戻すすずを見ていると俺はいつの間にか笑ってしまっていた。
ただ帰ってきてからのすずはというと、まだ悔しいのか、俺に散々愚痴を言い始めた。
そのくじであたりを引いている俺は、すずのプリプリ怒っている様子を可愛いと少し思いつつもそれよりもだいぶ気まずく感じてしまった。
結局その日は、すずに対してに申し訳無さを抱えながら過ごしたのであった―――
________________________________________________________________________________________
更新遅くなってしまいました。
「暑さにやられない程度にがんばります」、って書いたのに思いっきりサボってしまいました。
申し訳ないです。
もうちょっとペースはやめられるようにがんばります!
すずは持ち前の(?)アンラッキーさを発揮してしまいました。
このまま文化祭はすずと健太は一緒に回れなくなってしまうのか、、、
注目しておいてください!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます