第48話
「健太くん、、、すきだよ。すきだよ。すきだよぉ、、、お願い。私と付き合ってください。」
「ッ!」
驚いて俺は息を呑む。
それはあまりにも突然の告白で対応することができなかったのだ。
それでも俺は一つ息を吸って覚悟を決め、すずに向き直った。
「ごめん。今のすずとは付き合えない。」
すずは、はっとした顔をして、そのあと泣いているのか笑っているのかわからない、色々な感情が混ざったような表情をしている。
正直今の答えが正しかったのかわからない。
本音を言えば、もちろんOKして付き合いたかった。
それに、さっきストーカーに襲われかけて心が不安定になっている人に対してこんな事を言ってわいけないというのはわかっている。
でも、、、俺は意見を変えるつもりはなかった。
なぜなら、気が動転して思ってもいないことを言っている可能性もあるし、何よりここで付き合ったら、俺を見るたびにすずはストーカーの恐怖とともに過ごしていかなければならないだろう。
そんな事になってほしくなかったのだ。
結局すずが、
「わかった。」
と、悲しそうに言うのも、ただ見つめることしかできなかった。
◇◇◇
今、私の家には警察が来ています。
私の家に入ってきたストーカーについての事情聴取のためです。
ただ、私は、完全に上の空って感じになってしまって、代わりに健太くんが事情を説明してくれています。
さっき、健太くんに勢い余って告白をしてしまいました。
正直、頭が混乱して何がなんだかわからないまま告白しました。
結果は、、、玉砕。
今は、正直、何も考えたくないなって感じです。
でも、、、ずっと健太くんのことを考えてしまいます。
なんで、告白しちゃったんだろう。
これじゃ、健太くんとどこかに遊びに行くことも、連絡することもできないのに、、、
結局私に残ったのは、ストーカーへの恐怖でも、助けてくれた健太くんへのかっこいいという気持ちでもなく。
―――健太くんに振られてしまったという事実だけだ。
そう思いながら、健太にバレないように鈴音は涙を拭う。
でも拭えば拭うほど、今度は『失恋したんだ』という実感が湧いてきて涙がとめどなく流れてきたのだった。
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すれ違う、二人の想い、、、辛いですね。
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