第45話 働き方改革

 翌日。

 俺は、、、校庭にいた。

              ◇◇◇

 遡ること半日前。

 すずからのLINUを見てから、俺は二つの選択肢の間で揺れていた。


 一つは部活に行くこと。

 もう一つはすずとパンケーキを食べに行くこと。


 この夏から、レギュラーなんだから、普通に考えたらすずからの誘いを断って練習に行かないといけないし、そこに迷う余地はない。


 それでも決めきれないのは最近自覚した恋心のせいか。


 自分の感情なんて無視して部活に行くのが筋だろう、と自分に言い聞かせると言い聞かせるほど、すずと一緒にでかけたいという思いが強くなってくる。


 しばらく悩んで答えが出なかったので、裕太に電話をかけてみることにした。


「もしもし」

「もしもし、健太が俺に電話をかけてくるなんて珍しいな。」

「そうかな?」

「うん。高校入ってから初めてだと思うぞ」

「いや、それはないだろ!」


 口ではそう言いつつ、俺もそんな気がする。

 そもそも俺あんまり電話はしないからな


「で、どうしたんだ。」

「いや明日、すずから一緒にパンケーキを食べに行かないかーって誘われたんだけど、、、俺はどうしたらいいと思う?」


 すると、裕太は、少しも迷う素振りを見せずに

「いや、どうするって言っても、香川さんと遊びに行く一択でしょ。」

 と言ってきた。


 俺は驚いて、

「でも練習もあるじゃん!それなのに遊びに行ってもいいのかなぁ?」

 と裕太に聞いてみた。


 すると、

「何言ってんだ。明日練習ないぞ。」

「え!」

「今日キャプテン言ってたじゃん。」

「マジか!聞いてなかったかもしれん。」

「そうそう。」

「なんで明日休みになったの?」

「働き方改革の影響で先生が時間外労働あんまりできないから〜って言ってたぞ。」

「まじか。思ったよりシビアな理由なんだな。」


 そう言ってみたものの、明日すずからの誘いに何の迷いもなくいけるのだから今は感謝するべきだろう。働き方改革様様である。


「じゃあもう大丈夫か?」

「うん!ありがとう!」

「おう!それじゃ!」


 その後、すずと連絡して、店が近くにあるから、と学校の校庭で待ち合わせることにしたのだった。

              ◇◇◇

 そうやって、楽しみに学校の校庭で待っていたが、ついにすずが来ることはなかった。



 ________________________________________________________________________________________

 働き方改革様様ww

 最後少し心配ですね、、、


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