第44話 裕太にも感謝しないとな

「ただいま!」

「おかえり。今日も遅かったわね。部活がこんなに長かったの?」

「そうそう。疲れたー!」

「こんなに一生懸命健太がスポーツするの、初めてね。」

「うん。この秋から俺もレギュラーになるから頑張んないといけないんだ」

「そう。まぁいいことよ‼頑張りなさい!」

「うん」

「じゃあ風呂沸かしてるから入りなさい。」

「はーい」


 そう、母さんと会話を交わして風呂に入る。


 湯船に浸かり、ふくらはぎをもみながら今日のことを振り返る。


 今日は、廃部になるかもしれないという話を聞いた後だからか、今までの部活で一番きつかった。


 合計1時間以上ノックをして中継プレーの確認も行った後、みっちりバント練習や盗塁練習、フリーバッティングの中での右打ちの練習など数えたらきりがない。


 そして何よりきつかったのは、部活の最後にそれぞれで行った、一人1,000回の素振りだ。


 今までなら、そんな行事は野球の漫画の中でしか存在しないと思っていたのに、それを、みんなで積極的にやり始めたあたりになんとしてでも一回勝つんだ!という強い意志が伝わってきた。


 ―――かくいう俺も、積極的に素振りした一人なのだが。


 今日の練習で手にまめができ、ふくらはぎも吊ったし、右腕も痛くなったが、その代わりに大きな自信を得ることができた。


 具体的に言うと、俺は野球を始めてから時間が浅いけど最低限のプレーはできているな、ということだ。


 プロ野球を見ていたおかげで大体のルールは知っていたし、最初は大変だと思っていた練習もこなせるようになったし、重いと思っていたバットも強振とまでは行かないまでも軽くスイングするくらいはできるようになった。それだけで、高校に入る前には考えられなかったことであり、そのことに俺は少し感動していた。



 もし、俺が野球部に入っていなかったら、俺はこのような感動も得られていなかったのだから、俺を無理やり野球部に入れてきた裕太にも感謝しないとな、そう思って俺は苦笑いしながら風呂から出た。

              ◇◇◇

 風呂から出て、夏休みの課題に少し手を付けようとするとスマホが

 ―――ピコンッ

 となった。


 なんだろうと思ってみてみると、LINUから通知が来ていた。


 誰からのメッセージ化を確認せずに、俺はその通知を開けてみた。そこに書かれていたのは、、、


 S U Z U「明日話題のパンケーキ屋さんに行くんだけど一緒に行かない?」


 ________________________________________________________________________________________

 次回はデート?それとも練習?どっちでしょう?

 コメントくれると嬉しいです!

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