第42話 小悪魔鈴音

「起立。気をつけ。礼。」

「「「「「ありがとうございました〜」」」」」


 この掛け声とともに、教室の緊張感が一気に解ける。

 これで夏休みが始まるのだ。


 夏休み中には、部活の高3生が引退して俺もレギュラーの一員になる。

 そうすると、すずに告白するかどうかを決める試合が目前に迫ってくる。

 だから、練習漬けになるだろう。

 でも自分が告白するための練習だと考えれば、どんなきつい練習も乗り越えられそうに思えた。


 ただ、一つ寂しいことがあるとしたら、すずとしばらく会えなくなることだろうか。


 好きだと自覚してからは、毎日のように話していたので、それに耐えられるかが我ながら心配だ、、、



 そう思っていると、後ろから声をかけられた。


「健太くーん」

「は、ひゃい!」


 考えていたタイミングで声をかけられてしまい、声が裏返ってしまう。


 その様子を見ていたすずは驚いたような顔をした後、コロコロ笑いながら


「何?どうしたの?」

 といった。その後、なにか思いついたのかニヤッとして、


「わかった!人に言えないようないかがわしいことでも考えてたのかな?」

 と軽口をいってきた。


 ――これは、破壊力抜群の小悪魔鈴音じゃないかっ⁉


 その破壊力に俺の頭が破壊されて、返事をできなくなっていると、だんだん鈴音の表情に余裕がなくなって、顔が赤く染まってくる。


「健太くん、、、本当にそんな事考えてたの?いかがわしいことってどんなこと、、、?」


 そうやって独り言を言っているすずを見て、俺はやっと我に返る。


「違う!俺はそんな事考えていたわけではない!」

「いいよいいよ。健太くんも男の子だしね」

「すずーーー」


 そこから、すずの誤解を解かないといけなかった。

                  ◇◇◇

 誤解を解いて二人で謝り合いをした後、

「夏休みの間に二人でどこか行かない?」

 と鈴音が言ってきた。

 さっきすずと会えない間心配だー と考えていたので、冗談抜きですずのことが天使に見えた。

「もちろん!」

「本当に?やった!どこ行こうか!、、、って言いたいけど、私もう帰らないといけないからまたLINUで連絡するねっ!バイバイ!」


 そうしてすずと夏休み中も話したいという願いが叶えられるとともに、夏休みが始まった。 

 ________________________________________________________________________________________

 今日もすずの表情の変化が多いです笑

 ついに夏休み突入です!

 星とハートよかったらお願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る