第38話 これが恋なのか。

「どこ行こうか?」

「うーん、、、あ!そうだ!おすすめのハンバーガー屋さんあるんだけど一緒に行かない?」

「わかった。そこにしよっか」

 そういって、俺はすずについていった。



 ついたところは、前に水族館で行ったメックとは違って本格的なところだった。

 おしゃれな内装で店主の人がこだわっていることが伝わってくる。


「健太くんは何にする?」

 すずがニコニコしながらメニューを見せてくる。


 ダブルチーズバーガー、ベーコンチーズバーガー、アボカドチリチーズバーガー、、、

 色々あったが、無難にダブルチーズバーガーにしておいた。


 すずはというと、

「私はいつものやつください!」

 と店員の人に言っていた。


 店員さんもそれで通じたようなので、すずはこの店の常連なのだろう。


「何頼んだの?」

「きてからのお楽しみ!」

 そう言って、すずはニッコニコの笑顔でそういった。


「えへへ〜!私ハンバーガー大好きなんだ〜!」

 すずが微笑む。

 その時、なぜか不意にテスト前の授業中のことを思い出した。

                  ◇◇◇

 担任川口先生の授業の時の話。


「本文3行目『恋ふ』に線をひっぱってくれー」


 いつも襲ってくる睡魔に抗いながら俺は線を引く。

 なんでこの人の授業は、こんなに眠くなるのだろうか。


「では森下〜。これは何か説明してくれ。」


 古文自体は嫌いじゃないんだけどな、、、


「森下〜?寝てるのか?」

「い、いえ!寝ていません!」

 あわてて俺は反応する。これでは寝ていたのとあまり変わらない。先生の話をちゃんと聞かないと。


「じゃあいいや。それで森下。恋ふの意味を教えてくれ。」

「はい。過去のことを懐かしむという意味や、異性に心惹かれて思い慕うという意味があります。」

「そうだな。では、なぜそのような意味になったのかわかるか?」

「なぜ、ですか、、、いえ。わかりません」

 俺がそう言うと、うなずいて、先生は続けた。


「昔は今の『恋』のニュアンスは漢字の『愛』に含まれていた。『恋』は最初は意外なことに『男女間の恋愛』というニュアンスは含んでなかったんだ。『ずるずると続いて耐えない』という意味だっだ。それがだんだん『もつれる』という意味になり、『乱れてけじめがつかない』という恋愛的なニュアンスを含むようになったんだ。だから、、、」

 そう言うと、先生は一回言葉を切り、キメ顔を作った。

「君たちは、『恋』にならないように、『愛』をしろよ。」

 

 最初は何を言っているのかわからなかったが、次第に教室からは、まばらな笑い声と拍手が起こった。」


                  ◇◇◇

 そうか。これが恋なのか。

 ようやく自分の心にすっと落ちた。

 ________________________________________________________________________________________

 ついに両方恋心自覚!

 この後どうなっていくのか⁉


 

 あと、私事ではありますが、16歳の誕生日を迎えさせていただきました!

 これからも楽しく執筆がんばります!

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