第35話 真のテスト勉強会②

 昼食兼休憩を挟んで二時間ほど。

 俺はだいたい英語の勉強が終わっていた。


 教科書の英文を訳してみて、それを英作して元の英文になるまで繰り返す、ということを繰り返したのだ。


 一応後は、単語と構文を覚えたら終わりなのだが、、、


「ごめん、ちょっといま時間いい?」

「え⁉あ、うん!どうしたの?」

「ここって、なんでこの表現になるのかわかる?こんな表現のほうがいいと思うんだけど、、、」

「あー、、、えっとね?文法上はそれでもいいんだけど微妙に教科書のほうが英文のほうが、柔らかいニュアンスを含んでいるから、よく使われるんだ。」

「おー!なるほど!ありがとう!助かった。」

「エヘヘー  力になって光栄です!」


 そう言って、俺らはほほえみ合う。こうやって一人ならカリカリしがちな勉強を和やかに、そして何よりも効率よくできるのが、勉強会のメリットだろう。


 しかも、今のアドバイスなんて、どこが間違っていてどこが違うのかもわかりやすく説明してくれる。これができるということは、、、


 ―――すずって、実はむちゃくちゃ頭いいんじゃないか⁉


 そう一人で、俺は感嘆するのであった。

                 ◇◇◇


 その後、すずのアドバイスのおかげで、英語テスト勉強が終わったのだが、、、

 俺だけ聞いたというのはなんだか、モヤモヤしていた。


「すずには苦手な教科はないのだろうか?」

「うーん、、、正直英語は得意なんだけど、数学とか理科とかは苦手なんだよね、、、」

 生粋の文系ということか。


「じゃあ、わからないところとかないの?教えられるところがあったら、教えるけど、、、」


 そう言うと、急にもじもじしはじめるすず。


「いや、わからないところがないわけじゃないんだけど、、、健太くんに教えてもらうとなると、ちょっと迷惑をかけちゃうかもしれないからいいよ」

「いやいや、全然迷惑とかじゃないよ?」

「でも、、、」


 すずは基本的に素直なのだが、たまに変なところで気を使って、意地になるところがある。まあ、それが、すずのいいところではあるのだが。


 しょうがないので、俺は素直に気持ちを白状する。


「いや、、、じつは、すずに教えてもらっておいて、俺が何も教えるところがないっていうのが、ちょっと気がすまないんだよね。何でもわからないところがあったら、一緒に考えさせてくれない?」


 するとすずは

「健太くんらしいね!わかりました!じゃあここの問題教えてもらっていい?」

 と笑いながら質問してくれた。


 質問で出されたのは、今回の試験範囲の中で最も難しいと言える数学の問題。

 その上、解説に書かれた解法はわかりにくかったはずだ。


 だから、別解をすずには教えることにした。

「ここはね、両辺二乗すると、有理数同士になるでしょ?そのあとpとqについてまとめて、そのあと、pの係数を移行して、qの係数を無理やり分数にしてみるとわかりやすいんじゃないかな?」

「ちょっとやってみるね、、、本当だ!すごい!こんなの思いつくなんて、天才!」

「なんかそんなに褒められると照れちゃうな、、、」

「こんなスッキリした解法久しぶりだよ。本当にありがとう!」


 こっちの気がすまないからと言ってすずに質問してもらったのに、こんなにキラキラした笑顔を見せられたらこっちが得した気分になってくる。


 ―――やっぱり、すずには色んな意味でかなわないな。


 そう思った。



 ちなみに、すずとの勉強会は、前日の勉強会とは比べ物にならないくらい勉強が捗った。


 今後もテスト勉強会をいっしょにならやってもいいかもしれない。


 そう思って俺は、帰路についた。

 ________________________________________________________________________________________

 作者は、実際にテスト勉強会をしたことないんですけど、どうなんでしょう?

 今度やってみようかな、、、笑


 ふたりとも期末試験頑張れって思う方は、♡お願いします!笑笑

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